beatnuts
The Beatnuts
 Relativity '94 

ジュジュとサイコ・レスのヒスパニック系コンビとして活動をスタートしたビートナッツ。その後、MCのファッション(アル・タリーク)を加えた3人組となり、他のアーティストへのトラック提供やプロデューサーとして活動。93年にはビートナッツとしてEP『Intoxicated Demons』を発表、これが大きな反響を呼び、満を持してリリースした1stフル・アルバムが本作。

ジャズやソウルからサンプリングした渋いネタ使いとドープなビートを聴かせる、センス溢れるトラック・メイキングに、ストリートに屯する兄ちゃん風情の下世話なラップがダラダラと乗る感じが何ともカッコいい。
ヒース・ブラザーズ「Smilin' Billy Suite Pt.2」のカリンバの音色をループした「Ya Don't Stop」、極太ウッド・ベースがウネる超クラシック「Props Over Here」と、アルバム初っ端から震えが来るカッコよさ。

ジャジーなギター・ループがグルーヴィーな「Hellraiser」、ビル・ドゲット「Honky Tonk」の乾いたグルーヴにグランド・プーバのラップが乗る「Are You Ready」、ダークで浮遊感のある渋いトラックの「Superbad」、疾走感のあるビートに、ウー・タン・クラン「Da Mystery Of Chessboxin'」のオール・ダーティー・バスタードのヴァースをサンプリングした「Straight Jacket」、メロウなエレピが気持ちいい小曲「Let Off A Couple」に続き、「Rik's Joint」も女性シンガーをフックに起用したメロウ・チューン。

乾いたビートとギターのサンプリングがファンキーな「Fried Chicken」、グローヴァー・ワシントンJr.「Hydra」をサンプリングしたジャズ・ファンク調「Yeah You Get Props」、オーティス・レディング&カーラ・トーマス「Tramp」、ロイ・エアーズ「Painted Desert」をサンプリングした「Get Funky」、ピート・ロック的なホーン使いも印象的な「Hit Me With That」、「2-3 Break」はギャングスターの「I'm The Man」や「Speak Ya Clout」みたいに曲の途中でいきなり別のトラックに切り替わっていく構成で、最後のパートなんかは超ファンキー。

タイロン・デイヴィス「In The Mood」使いの、タイトルからしてエロいメロウ・チューン「Lick The Pussy」、ロニー・スミス「Spinning Wheel」、ハーレム・アンダーグランド「Smokin' Cheeba-Cheeba」をサンプリングした「Psycho Dwarf」は、『Intoxicated Demons』にも収録されていた曲で、煙たくドープなビートがカッコいい。