pfunk

以前に、好きなプリンスのファンク・ナンバー10曲というのをやったが、今回はPファンク編。

個人的にPファンクにハマっていった経緯は、これまでにも何度か書いてきたが、ざっくりとまとめるとこんなところ。

1990年、プリンス『Graffiti Bridge』収録の「We Can Funk」でジョージ・クリントンの存在を知る。
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クリントンの『The Cinderella Theory』で初Pファンク体験。この時点ではまだそれほど。
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Pファンク・ネタ満載のデジタル・アンダーグラウンド『Sex Packets』を聴きまくり。Pファンクにハマりそうな予感ひしひし。
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丁度いいタイミングで発売されたパーラメントのベスト盤『The Best Nonstop Mix Compilation』を聴き、案の定ドハマり。
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『Chocolate City』を聴いて、もう完全に抜け出せなくなる。パーラメントのアルバムをすべて買い漁り、重度のPファンク中毒に。

このように、Pの泥沼、底無し沼に引きずりこまれてもう25年以上も経つが、今だに聴き飽きない、色褪せない。
何しろ膨大な作品数を誇るPファンク軍団。このブログのPファンク・カテゴリーのレヴューだけでも既に80枚以上ある。全盛期のアルバムは概ねレヴュー済みだが、80年代以降の作品でまだ取り上げていないアルバムも結構残っている。
このブログのPファンク・カテゴリーの範囲は多分、比較的広義だと思うが、今回は狭義のPファンク、ジョージ・クリントン・プロデュース曲の中から、今の気分で選んだ10曲。


chocolate cityNo.1
Chocolate City / Parliament
 from 『Chocolate City』

まずはこの曲。ベスト盤を初めて聴いたとき、特にこの曲の異様なクールさ、音の隙間から滴るドス黒さにヤラレた。
パシャパシャと鳴るチープなリズム・ボックスと、クラシカルなバーニーのキーボードをバックにしたクリントンの喋くりのカッコよさ。抑制されたグルーヴが、サビの "Gamin' On Ya!"のコーラスで一気に解放される時のカタルシス。ブリッジでの絡みつくようなホーン・アレンジの見事さ。ファンク初心者だった自分のステレオ・タイプなファンク観を根底から覆し、ファンクの奥深さを教えてくれた曲。

mothership ConnectionNo.2
Unfunky UFO / Parliament
 from 『Mothership Connection』

Pファンク代表作、いや70年代ファンクの最高傑作のひとつ『Mothership Connection』。「P-Funk(Wants To Get Funked Up)」「Mothership Connection(Star Child)」「Give Up The Funk(Tear The Roof Off The Sucker」と、クラシック・ナンバーテンコ盛りの本作の中で、実は一番好きな曲が「Unfunky UFO」。
ジェローム・ブレイリーのグルーヴィーこの上ないドラム、フレーズがいちいちカッコいいホーン・セクション、クリントンとゲイリー・シャイダーを中心としたリード・ヴォーカルと、スライ風のコーラスで盛り上がる、アンファンキーどころかクソファンキーな1曲。

clones of dr funkensteinNo.3
Funkin' For Fun / Parliament
 from 『The Clones Of Dr. Funkenstein』

Pファンク随一、いやファンク界最高のディープ・シンガーの1人、グレン・ゴインズ。
在籍期間の短さもあって、彼がリードを取る曲は、「Big Footin'」「Handcuffs」「I've Been Watching You」「Funkin' For Fun」「Smokey」「This Is The Way We Funk With You」「Bop Gun」と、ライヴ録音の「Swing Down Sweet Chariot」とあまり多くはないのだが、なかでもこの「Funkin' For Fun」での燃えるようなファンク歌唱は圧巻。
哀愁を帯びたメロディーとホーン・アレンジの前半から、後半はグレンのゴスペル丸出しのディープ・シンギングでファンキーに盛り上がり、ワサワサと盛り立てるコーラスと相俟って高揚していく様はあまりに美しい。

lets take it to the stageNo.4
Good To Your Earhole / Funkadelic
 from 『Let's Take It To The Stage』

ファンカデリックはどの時期が好きか、ファンの間でも好みが分かれるところ。どの時代の作品も抗えない魅力に溢れているが、70年代半ばの作品は過渡期ならではの混沌と冒険があって、非常に面白い。
そんな中でも、初期ファンカデリックのサイケデリックなブラック・ロックと、後期ファンカデリックのよりファンキーなサウンドが、絶妙なバランスで拮抗しているのがこの「Good To Your Earhole」。ギトギトと粘りつくギターが蛇のように絡みつく、理想的なファンク・ロック・サウンド。この頃急速に充実し厚味を増したヴォーカル陣も強力。

stretchinNo.5
Psychoticbumpschool / Bootsy's Rubber Band
 from 『Stretchin' Out In』

自分が主導するバンドをやりたくてクリントンと手を結んだブーツィー、念願かなってようやくアルバム・リリースとなったブーツィーズ・ラバー・バンド。とは言ってもこの1stアルバム・レコーディング時にはまだメンバーが揃わず、Pファンク本隊の精鋭が挙ってバックアップ。
A面に怪物級ファンクが集中する本作、その中でも2曲目の「Psychoticbumpschool」は、ブーツィーの極太ベースによるJB直系の鬼のようなハードコア・グルーヴに、カッコいいフレーズで畳み掛けるホーンズ、ブーツィーらしい無邪気さも感じさせるヴォーカル&コーラスも最高でお気に入り。

funkadelicNo.6
Good Old Music / Funkadelic
 from 『Funkadelic』

ダークな禍々しさと混沌具合が堪らないファンカデリックの1stアルバムの中でも、この「Good Old Music」は一際ズッシリとした手応えの漆黒のファンクネスが漲っている。
この曲のキモは、何と言ってもレイモン "ティキ" フルウッドのドラムス。ゴースト・ノートたっぷりで引きずるような重いグルーヴを繰り出してくる。このドラムだけを1時間でも2時間でもずっと聴き続けていたくなるような気持ちよさ。

chocolate cityNo.7
Ride On / Parliament
 from 『Chocolate City』

『Chocolate City』からもう1曲。アルバムを聴いていると、1曲目のクールな「Chocolate City」から、躍動する激熱ファンクの「Ride On」へのギア・チェンジで一気にアドレナリンやらドーパミンやら、ついでにいろんな汁が噴き出してくる。
前曲で抑えに抑えた反動か、曲がスイッチした途端、堪え切れずにブリブリやりまくるブーツィーのベース、クリントンの情けなくもファンキーなヴォーカルと、それを盛り立てるるように汗だくでまぐわうようなワサワサした男女大勢のコーラスが醸す猥雑なファンクネスが素晴らしい。

a blow for me a toot to youNo.8
Four Play / Fred Wesley & The Horny Horns featuring Maceo Parker
 from 『A Blow For Me, A Toot To You』

数多くのPファンク・クラシックで素晴らしいホーン・アレンジを担ってきたフレッド・ウェズリーと、ファンク界随一のスター・サックス・プレイヤー、メイシオ・パーカー。全盛期Pファンクにおいて貢献度大の2人を前面に立てた、Pファンクのホーン部隊=ホーニー・ホーンズは、さながらPファンク版JB'sといった趣き。
「Four Play」は、JBスクール卒業生の2人らしい、Pファンクとしては異色のブラックスプロイテーション調ジャズ・ファンク。クールでカッコいいホーン・アレンジがキマりまくる、ド渋でヤクザな路地裏グルーヴ。

all the woo in the worldNo.9
Hold On / Bernie Worrell
 from 『All The Woo In The World』

クリントンの右腕、軍団の番頭格、P帝国の頭脳、"鍵盤の魔術師" バーニー・ウォーレル。スペイシーでキレたプレイ、ジャズやクラシックまで自在に弾きこなし、ホーン・アレンジまで手掛ける圧倒的な技量で、70年代を通してMVP級の貢献を果たした偉人。
この1stソロ・アルバムも純度100%のPファンク名盤だが、この曲「Hold On」は切なくスウィートなメロウネスに浸る絶品スロウ。泣ける哀愁メロディー、バーニーの繊細で真摯なヴォーカルにもグッとくる。

trombipulationNo.10
Let's Play House / Parliament
 from 『Trombipulation』

パーラメントよりも先に聴いたデジタル・アンダーグラウンドの『Sex Packets』。Pファンク・ネタ満載のアルバムの中でも、「The Humpty Dance」は「Let's Play House」ベタ敷きの一際強力なファンク・トラックで、本格的にPファンクを聴いてみようと思った大きなキッカケになった曲。
ブヨブヨ、ズブズブと沈み込むデイヴィッド・スプラドリー(バーニーかも)のシンセ・ベース、相変わらずカッコいいホーン・セクション、ヴォーカルはジュニーとブーツィーで、80年代型Pファンク・サウンドの最高峰だと思う。