a night out with the boys
A Night Out With The Boys / Mutiny
 J.Romeo '83 

75年~78年、Pファンク全盛期にその個性的なドラムで大きく貢献したジェローム・ブレイリー。
78年にはクリントンと喧嘩別れ。同じくクリントンと袂を分かった盟友、グレン・ゴインズが手がけるバンド、クエイザーでは、バンドの正ドラマーを押し退けて例のドラミング乱れ打ちの大暴れ。しかし、アルバム・リリース直前にグレンが急逝。ジェロームはグレンの意志を引き継ぐかのように、クエイザーのメンバーを含む新バンド、ミューティニーを旗揚げ。グレンのように裏方に回るのではなく、自らバンドのリーダー、プロデューサー、ヴォーカル、もちろんドラマーとしてミューティニーを牽引。

79年の1stアルバム『Mutiny On The Mamaship』 、2nd『Funk Plus The One』での、アートワークや歌詞で展開される容赦ないクリントン及びPファンク糾弾ぶりは、ジェロームの憎悪の根深さを感じずにいられないが、そのサウンドは正真正銘、正統Pファンク・サウンドのフォロワーというアンビバレンス。パーラメント/ファンカデリックの全盛期のボトムを担ったジェロームなだけに、彼が叩けばすべてPファンク調に聴こえてしまうのは必然で、この愛憎相半ばするようなミューティニーの初期2作は、Pファンク・フリークとしては複雑な心境を抱きつつも、十分に楽しめるPファンク・アルバムだと思う。

本作『A Night Out With The Boys』は、前作からやや間をおいて83年にリリースされた3rdアルバム。
コロンビアとの契約が終わり、新たに立ち上げた自主レーベル、Jロメオからのリリース。
今だCD化されていない本作、おそらく今後もCD化されることはないだろうが、前2作ほどとは言わないまでも、これもなかなかの好作なので、気軽に聴けないのは何とももったいない。

ブヨブヨしたシンセ・ベースの正調Pファンク・チューン「In The Pocket」から快調にスタート。「And You Know That」はジェローム独特の間合いのドラムスがグルーヴィーなミッド・ファンクで、終盤聴かれるハードなギターもこのバンドらしい。「Hand Maid(Old Lady Mine)」は気怠いギターがのたうつファンカデリカルな煙たいスロー・ファンクで、後ろの方で繰り返されるヴォーカル・フレーズはスライ「Loose Booty」みたい。「Peanut Butter & Jam(Funky Thang)」も「In The Pocket」同様にPファンク直系のサウンド。執拗なギター・リフがファンキーで気持ちいい。

アルバム・タイトル曲の「A Night Out With The Boys」は軽めのインスト・ファンクで、ややユルい仕上がりだが結構好き。「Child Support」は重く引きずるようなビートのファンク・ロックで、エコー処理されたヴォーカルがパーラメント「Peek-A-Groove」のフレーズを繰り返す。「Raise」もギター・リフがカッコいいファンク、ラストの「Just Want To Know」はややラフなファンク。