live in philadelphia 1975
Live In Philadelphia 1975 / Allen Toussaint
 Warner Bros. '16 

2003年リリースの2枚組CD『The Complete Warner Recordings』に収録されていた、1975年の蔵出しライヴ音源を、2016年になってアナログ・リリースしたのが本作。
75年ということは、名盤『Southern Nights』リリース直後だろうか。外部仕事も含め、トゥーサン絶頂期、脂が乗り切っていたころのステージ。クレジットはないが、バンドはミーターズなのだろうか。グルーヴ満点のカッコいい演奏を従えて、何より主役のピアノとヴォーカルを真ん中に据えて、アーティスト=アラン・トゥーサンの本領を余すことなく捉えた名ライヴ盤だ。

アルバムは短いイントロダクションに導かれた「High Life」から快調にスタート。「Touch Of Love」はトゥーサンの転がるピアノと軽妙なヴォーカルが心地よく駆け抜ける。「Brickyard Blues」はポップなメロディーが色褪せぬミディアム・ナンバー。ピアノのリフがクセになりそな「What Is Success」、じっくりと歌を聴かせるスロウ「Freedom For The Stallion」、「Last Train」は個人的にトゥーサンの1番好きな曲で、このライヴでも抜群のリズムを聴かせてくれる。

「Shoo-Ra」もリズミカルなナンバーで、聴いていて非常に楽しい。続く「Pine Top's Boogie Woogie」「Java」「Girl Of My Dreams」「Honky Tonk」と繋ぐメドレーは、基本ピアノとサックスのみで聴かせる。実質ラストの「Southern Nights」は、あのフィルター越しのヴォーカルもそのまま再現されている。