rubicon
Rubicon
 20th Century '78 

スライ&ザ・ファミリー・ストーンのオリジナル・メンバーであるサックス奏者、ジェリー・マルティーニが率いる白人7人組バンド、ルビコン。
メンバーには元コールド・ブラッドのトランペッター、マックス・ハスケットも名を連ねており、ジェリーとマックス、もう1人のサックス奏者からなるホーン隊は、グラハム・セントラル・ステーション『Now Do U Wanta Dance』にも参加。また、マックス抜きでスライのソロ作『High On You』にも参加しているとのこと。

また、ルビコンのメンバーのうち2人は、後にナイト・レンジャーを結成。この辺は個人的には音楽体験としてまったく通過していないのでよく知らないのだが、ナイト・レンジャーは80年代産業ロックの代表的なバンドだそうで。
このルビコンも、基本的にはロック・バンドだと思うが、そこは70年代のベイエリア、しかも元ファミリー・ストーンのバンドだけあって、ファンク要素も入っている。このジャケットでは黒音好きには見向きもされないだろうが、スルーしてしまうのはちょっと勿体ないかも。

「Vanilla Gorilla」は重いベースとクラヴィネットが絡みつきホーン・セクションが咆哮する、グラハム・セントラル・ステーション/ベティー・デイヴィス・タイプのヘヴィー・ファンク。「Cheatin'」もホーン・アレンジがカッコいいグルーヴィーなファンク。ロッキンなギターと白いヴォーカルには目を瞑るとして、この2曲はファンク好きであれば気に入るハズ。ファンク・ロック・チューンの「And The Moon's Out Tonight」、スラップ・ベースがグイグイ押し込んでくるグルーヴィーな「That's The Way Things Are」もなかなか。

その他の曲は、ハードなギターが唸りを上げるアメリカンなロック・ナンバー「Closely」、ポップな「I Want To Love You」、ゆったりとしたミディアムの「It's All For The Show」、AORテイストのバラード「Far Away」「I'm Gonna Take Care Of Everything」など、ファンク/ソウル耳にはチョイとキツい。