safety zone
Safety Zone / Bobby Womack
 United Artists '75 

ボビー・ウォマックの75年作『Safety Zone』。
本作は、前作『I Don't Know What The World Is Coming To』に引き続き、ウェスト・コースト録音。レコーディング・メンバーには、ジェイムス・ギャドソン、ワー・ワー・ワトソン、ウィリー・ウィークス、ルイス・ジョンソン、ソニー・バーク、ビル・サマーズなど著名なミュージシャンがズラリと顔を揃えており、ハービー・ハンコックも1曲のみだが参加するなど、ウォマック自身かなり気合いが入ったプロジェクトだったに違いない。
個人的には、ウォマックのアルバムでは、マッスル・ショールズ産ニュー・ソウル作品の『Communication』『Understanding』あたりが好みだが、本作も悪かろうハズがない。西海岸の洗練されたサウンドをバックにしても、ウォマックの塩っ辛いヴォーカルは変わらずソウルフル。

アルバム・オープナーの「Everything's Gonna Be Alright」は、ワー・ワー・ワトソンのワウ・ギターがウネウネと絡むファンキーなナンバーで、ワトソンが参加したハービー・ハンコックのアルバム『Man-Child』を思わせる。テンプテーションズ「I Wish It Would Rain」は晴れやかなミディアム、ウィルソン・ピケットへの提供曲をセルフ・カバーした「Trust In Me」も穏やかなムードのソウル・ナンバー。アップ・テンポの「Where There's A Will, There's A Way」も快調。

ワー・ワー・ワトソンとレイ・パーカーJr.が書いた「Love Ain't Something You Can Get For Free」は、いかにも西海岸らしい爽快なミディアム。クリス・ケナーの「Something You Got」は斬新なレゲエ・アレンジで料理。シングル・ヒットした「Daylight」は円やかなグルーヴに満たされる名曲。ラストの「I Feel A Groove Comin' On」はグルーヴィーに疾走するファンキー・チューン。