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 LAX '78 

70年のシングル「Thank You」を最後にスライ&ザ・ファミリー・ストーンを脱退したドラムのグレッグ・エリコ。そのすぐ後、『暴動』制作途中でスライと袂を分かったラリー・グラハム。当代一のファンク・バンドのリズム隊を担った2人は、バンドを辞めた後それぞれプロデュース業に進出。
ラリーは地元の新人バンド、ホット・チョコレートのプロデュースを請け負ったが、やはりバンドマンの血は抑えきれず、自らバンドのリーダー/ベーシスト/ヴォーカルに納まり、ホット・チョコレートからグラハム・セントラル・ステーションに改名しワーナーからデビュー。

一方のグレッグは、ラリーほどのカリスマには欠けることを自覚してか、ジャイアンツなる匿名的なプロジェクトを立ち上げレコーディングしたのが本作。
レコード・コレクターズ2015年8月号のスライ特集では、本作は70年代半ばの録音と記載され、『ディスク・コレクション ファンク』では71年の録音とされている。しかしながら、実際にリリースされたの78年とのこと。
よく分からんチープなジャケットと、ネットで検索しにくいジャイアンツという名前でだいぶ損してるように思うが、これはファンク・ファンにはかなり興味深い作品。グレッグはプロデュースの他、もちろんドラムも叩いているが、
本作のセッションにはハービー・ハンコック、カルロス・サンタナ、ニール・ショーン、ダグ・ローチ、リー・オスカーなど、ベイエリア・オールスターズとも言えそうなモノ凄い面子が顔を揃えている。おそらく近い時期に録音されただろう、やはりグレッグがプロデュースしたベティー・デイヴィスの1stアルバムとの関連性も強い。

アルバムは全6曲中、3曲がファンクで、コレがいずれも痛快ヘヴィーなベイエリア・ファンクで素晴らしい。
「Attitude」はベースが異様なほどブリブリ唸る超強力なヘヴィー・ファンク・チューン 。「They Change It」はドラムスとベースがガッチリ噛み合ってウネりまくる、ゴリゴリのミッド・ファンク。女性コーラスのフレーズは、アウトキャスト『Stankonia』に収録の「I'll Call Before I Come」で聴かれるアンドレの鼻歌の元ネタか?「In Your Heart」は、ゴツゴツしたグルーヴとジャズ/フュージョン的な洗練がヘッドハンターズを思わせる。

残り3曲はラテン調で、このあたりもベイエリアらしいところ。「Kilimanjaro」はトライバルなリズムが溢れる”The Village”と、リー・オスカーのハーモニカが入ってウォーっぽくなるラテン・グルーヴの"The Summit"の2部構成。パーカッションがタンマリ入ったミドル・テンポの「Pancho Villa」、ウィリー・ボボのカバー「Fried Neckbones And Home Fries」も楽しい。