i love you me
I Love You... Me / Cherokee
 RCA '99 

92年にオート&チェロキーという夫婦デュオでデビュー。その作品は未聴だが、その後いろいろあって別れた後、90年代も末になって再起を図りリリースしたソロ1stアルバムとなる本作『I Love You... Me』は、当時非常によく聴いた作品。
もとより、ギターやベースを弾きこなし、自分で曲を書いていたチェロキーは、ディアンジェロ以降の自作自演派によるソウル・ルネッサンス=ニュー・クラシック・ソウルの波にうまく乗ることができた。本作のジャジーでスモーキーなムード、ドープで深いベースやドラムスのグルーヴは、『Brown Sugar』『Baduizm』を連想させずにはいられないが、作品のクオリティーは高い。

オープニングの「While I'm Flying」は鍵盤の入りからもう「Brown Sugar」なムードたっぷりで、煙たくゆらゆらと揺らめく極上ネオ・ソウル・ナンバー。「Oopsy Daisy」はアコースティックでオーガニックなリンデン・デイヴィッド・ホールがやりそうな曲。「Sexy Somethin'」はウッド・ベースが効いたジャジーR&B、「Ooh Wee Wee(4 U Mix)」はビート強めのナンバーで、4 U Mixと4 Me Mixの2ヴァージョン収録されているが、後者の方が好み。

ブルージーなムードのスロウ「Steppin' Stone」、クールでグルーヴィーなミドル「Misty」、ドラムス、ベース、ギターが生々しくルーズに響くジャジー・ソウル「Blue Bottle Afta Shave」、「My Own Queen」、アルバム・タイトル曲「I Love You... Me」はウッド・ベースの太い音に自在にヴォーカルが絡む十八番のスタイル。「Fictitiously」はジャジーなバラード。

斯様に聴き応え十分の好盤なれど、ニュー・クラシック・ソウルの動きも落ち着いてきた時期の後発組ゆえか、本作はあまり注目されることなく忘れ去られてしまったよう。
その後、ディアンジェロ「Left & Right」のPVに抜擢、ディアンジェロと絡み踊りまくるチェロキーを見たのが、オーバーグラウンドでの目立った活動の最後か。2001年には2ndアルバム『Soul Parade』を制作するも、無念のお蔵入り。これをもってRCAとのディールも失ったようで、2018年の今に至るまで新作のリリース無しというのは寂しい限り。『Soul Parade』はYoutubeで聴くことができるが、コレもかなりの力作なので、何とか正規リリースしてほしいところ。