wings of love
Wings Of Love / The Temptations
 Gordy '76 

ソウルの歴史に太文字でその名が記されるヴォーカル・グループでありながら、これまで当ブログで取り上げてこなかったテンプテーションズ。
モータウンの看板グループとして、スモーキー・ロビンソンと組んで数多くのヒット曲を飛ばした60年代、デイヴィッド・ラフィン在籍時がまずは語られるべきなのだろうけど、ココではやはりファンクに傾倒していた時代のテンプスにフォーカスを当てたいところ。
とは言っても、ノーマン・ホイットフィールドと組んだサイケデリック・ソウル期の作品は、それほど好きになれなかったりする。スライやファンカデリックにモロに影響を受けたノーマンだが、そのサイケなファンク/ロック・サウンドは、亜流の域を出なかったと思う。

それよりも、ジェフリー・ボーウェンをプロデューサーに向かた70年代中期の作品を推したい。
この頃の傑作とされる75年の『A Song For You』は、エディー・ヘイゼルとビリー”ベース”ネルソンのオリジナル・ファンカデリック2人の他、ジェイムス・ギャドソンやメルヴィン”ワーワー”ワトソンらが参加し、デトロイトと西海岸を繋ぐファンク・サウンドを展開。
続く76年の本作『Wings Of Love』(のA面)では、エディーはちょうど収監中と思われ不在ながらビリーは続投で参加。さらにフレディー・ストーン、ラスティー・アレン、パット・リッツォらファミリー・ストーンの面々が参戦(他にトゥルーマン・トーマス、オリー・E・ブラウンらも)。しかも、クレジットは無いものの実はスライが曲作りに関与しているという話も。スライ+ファンカデリック(ビリー1人だが)という、かつてノーマンがテンプスに見た夢は、ノーマン去りし後にまさかのドリーム・チームによってここに具現化された。

オープナーの「Sweet Gypsy Jane」から超重量級のゴツゴツしたファンク・グルーヴが堪らない。「Sweetness In The Dark」も太く硬質なベースがゴリゴリと押しまくる屈強なミッド・ファンク。「Up The Creek(Without A Paddle)」はタフなリズム・セクションのウネりにホーンを散りばめたスライ~GCS的なヘヴィー・ファンク。地響きするようなファンク・ビートが熱い「China Doll」と、A面4曲はファンク好きなら文句なく楽しめる。しかし、ヴォーカル・グループとしてのテンプテーションズの魅力はあまり窺えない(リード・シンガーのデニス・エドワーズの独り舞台で、ハーモニーで魅せる場面はほとんどない)のが、本作に対する評価が低い原因だろう。

一方のB面は、A面のメンツは一切参加しておらず、ドナルド・ボールドウィンなる人物(『A Song For You』にも参加していた)がシンセ類で作ったメロウなスロウ・ナンバーで固められているが、コレはあんまり面白くない。