west wing
West Wing
 20th Century '75 

バリー・ホワイトのプロデュースによる4人組ヴォーカル・グループ、ウェスト・ウィングの唯一のアルバムが、この度初CD化。
70年代半ばのバリーは、女性3人組のラヴ・アンリミテッドに始まり、トム・ブロック、ジェイ・ディーといった男性シンガー、フリー・ソウル人気盤のグロリア・スコットなど、精力的にプロデュース・ワークをこなしていたが、その中でもこのウェスト・ウィングのアルバムが最も出来が良いのではないかと思う。
クラシカルで壮麗なストリングス・アレンジが施された、ソリッドなグルーヴ感のリズム・ナンバーとムーディーなスロウ曲という典型的なバリー・ホワイト・サウンドをバックに、ヴォーカル・グループとしての確かな実力を感じさせるウェスト・ウィングの魅力が十分に引き出されている。

スウィートさと荘厳なムードを湛えながら、要所でファンキーに跳ねるリズムもイカすオープニング・ナンバー「I Got A Love For You」、トム・ブロック「Have A Nice Weekend Baby」のカバーは、ヴォーカル・グループとしての華をしっかりと感じさせてくれ、オリジナルよりもこちらのカバーの方が良い。緊張感を湛えたグルーヴィー・ナンバー「She Loves Me(That's What The Flower Said)」、「Gave Your Love, Gave All Of Your Love To Me」はシルキーなストリングスが華麗に舞うフィリー・スタイルのダンサー。
「We Got A Perfect Love Together」は美しくスウィートなバラード。バリー自身のヒット曲「I'm Gonna Love You Just A Little More Baby」のカバーは、ファンキーなグルーヴはそのままに、ファルセット・リード&コーラス・ワークで爽快に聴かせてくれる。メロウなスロウ・ナンバーの「Look On The Brighter Side Of Love」、ラストの「I Wanna Thank You, Love」はファンクネスがじんわり滲む。