sylvers 2
Ⅱ / The Sylvers
 Pride '73 

ロサンゼルスの兄弟姉妹6人組グループ、シルヴァーズ。
50年代末に結成された時は全員10歳未満だったようだが、レコード・デビューを果たした70年代前半には最早ティーン・グループとは言えなくなっていたハズ。それでも、この時代の兄弟グループであればどうしたってジャクソン5を意識せざるを得ないが、最高傑作として名高いこの2ndアルバムを聴くと、バブルガムな匂いは薄く、やや背伸びした若者の甘酢っぱいメロウネスやファンキーさが何とも心地よくもこそばゆい。
長兄、レオン・シルヴァーズ3世は、後にソラー・レーベルのシャラマーやダイナスティーらの作品で、ソングライター/プロデューサーとして活躍するが、本作においても、カバー2曲以外の全曲の作曲を手掛けるなど、早くもその才能を開花させている。

アルバム冒頭の「We Can Make It If We Try」から、グルーヴィーでメロウなサウンド、甘酸っぱいメロディーとヴォーカルが広がる。これもメロウなミディアム「Through The Love In My Heart」、掻き毟るようなワウ・ギターが好みのファンク・チューン「Handle It」、「I'll Never Let You Go」「Cry Of A Dreamer」は女声リードのスロウで、この辺りのポップな装いは好みが分かれそう。
ジワジワとにじり寄るリズムにストリングスがアクセントをつけるアップ「Stay Away From Me」、泡立つギターとパーカッシヴなグルーヴがファンキーな「I Don't Need To Prove Myself」、サム&デイヴィの名唱で知られる「Let It Be Me」、転がるようなリズムのミドル「Love Me, Love Me Not」、入りは重たいムードながらサビではメロウに解ける「I Remember」、ラストの「Yesterday」のアカペラ・カバーは要らなかったかも。