rare tracks
Rare Tracks / Pete Rock & C.L. Smooth
 East West Japan '98 

ピート・ロック&C.L.スムースの、12インチ・シングルやプロモ盤などでリリースされた、ピート自身によるリミックス曲ばかりを集めた、ファンには嬉しい編集盤。
すでにオリジナル・ヴァージョンが高い完成度を誇るピート・ロック・プロダクションの数々を、質を落とすことなく新たな輝きを塗したリミックス・ワークには思わず唸らされる。

「Searching(Remix)」は、ヘルター・スケルター「Letha Brainz Blo」でのネタ使いも印象的だった、ジョニー・ペイト「The Look Of Love」をサンプリング。ロイ・エアーズの同名曲を核に据えたメロウなオリジナルも好きだが、このリミックスもイイ。
ケニ・バーク「Risin' To The Top」使いのR&B寄りのオリジナルに対し、「Take You There(Remix)」はよりビートが強化されたハードな作風。「Lots Of Lovin'(Remix)」もオハイオ・プレイヤーズ「What's Going On?」使いのメロウなオリジナルと比べ、こちらはエモーションズ「Blind Alley」のドラムをサンプリングした土臭いファンク・トラックになっている。

「I Got A Love(Remix)」はファンク・インク「Kool Is Back」ネタの、いかにもな94年型ピート・ロック・サウンド。「It's Not A Game」は「Lots Of Lovin'」のシングルB面曲で、荒いビートが『All Souled Out』の頃を思わせる。クール&ザ・ギャング「N.T.」、マウンテン「Long Red」をサンプリングした初期ピート・ロック・プロダクションの典型のような「Mecca & The Soul Brother(Wig Out Mix)」、「Creator」は『All Souled Out』収録のものと同じヴァージョン。
オリジナル同様にソウルフルなトラックの「Straighten It Out(Vocal Remix)」、カル・ジェイダーのヴィブラフォンがクールに転がる「They Reminisce Over You(Vibes Mix)」、「Get On The Mic(Remix)」はホワットノーツ「Why Can't People Be Colors Too?」の定番ビートがファンクネスを増幅。