cosmic jazz funk adventure
A Cosmic Jazz Funk Adventure / Detroit Rising
 Down Jazz '18 

本作はPファンク周辺を中心にデトロイトのミュージシャンが中心となったプロジェクト。
コレがタイトルに偽りなしの(コズミック要素はそこそこだが)、ジャズ・ファンク/Pファンク作品になっていて、非常に聴き応えがある。
アルバムは2つのセッションからなっており、全10曲中7曲は、ブラックバード・マックナイト、ライジ・カリー、グレッグ・トーマスの古参Pファンカーの他、ダニー・ベドロシアン、ベンゼル・コーワン、スティーヴ・ボイドら近年のPファンク・レギュラー・メンバーによる録音。クリントンの孫娘トニーシャ・ネルソンや、スー・アン・カーウェルなんて名前も。
残りの3曲は、これもPファンク周辺のゲイブ・ゴンザレスを中心に、セオ・パリッシュやレディ・ガガのミュージシャンが加わったチーム。
両セッションとも、色合いの違いはあまり感じないので(強いて言えば、前者がPファンク的で、後者はジャズ/フュージョン寄り)、企画モノながら寄せ集め感は無く良くまとまっている。

クリントンは関与していないようだが、本作に関してはそれが吉と出たかも。近年のクリントン作品にありがちな、ダラダラと必要以上に冗長なムードは無く(それが良いという話もあるけど)、ジャムっぽい長尺曲も多いが非常に締まりのあるタイトな演奏を繰り広げていて飽きさせない。流石に長年のツアーや長時間のステージで鍛えられたメンツだけあって、極めて高度な演奏力とミュージシャンシップに裏打ちされた、極上のファンク・グルーヴを聴かせてくれる。ライジ・カリーなんて、ブーツィーやブギー、スキートといった歴代の怪物級ベーシストと比べたら影が薄いなぁなんて思ってたけど、本作ではメチャメチャかっこいいベースを弾いていて、こんな凄腕だったんだと今更ながら気付かされたり。

アルバムは、ブラックバード、ライジ・カリーらのチームによる「Lashing Out」からスタート。コレが超絶タイトなファンク・グルーヴがウネりまくっていて、ノッケからいきなり打ちのめされる。このPファンク・チームの曲は他に、滲み出るPファンク・マナーが堪らない、粘っこいグルーヴの「My Heart Is Frozen」、ライジのベースが臼を挽くようにゴリゴリうねるヘヴィー・ファンクの「What's That You Heard?」、ハードなリフで押し込むファンク・ロック・チューン「Our World」、勢いのあるジャズ・ファンク「With Peace & Harmony」、どっしりしたグルーヴのミッド・ファンク「Fly To Freedom」「Song #4 Part 2 Funk Instrumental」と、どれも素晴らしい。スティーヴ・ボイドのクリントンによく似たヨレヨレ変態ヴォーカルのおかげで、御大不在を感じさせない。

もう一方のチームの3曲も負けじと秀逸。「Little Bit」はアーバンなジャズ・ファンク・ダンサーだが、グルーヴは骨太で鋼のように硬質。「Rocket Love」もアーバン・ムードのグルーヴ・チューン。哀愁メロウネスを漂わせるヴォーカルにとタイトなジャズ・ファンク・グルーヴの「Gorgeous」もイイ。