everybody loves the sunshine
Everybody Loves The Sunshine / Roy Ayers Ubiquity
 Polydor '76 

ロイ・エアーズは70年代にモノ凄い数の楽曲・アルバムを残していて、Discogsによると70年代だけで何と20枚ものアルバムをリリースしている(80年代もリリース数多い)。多作にも程があるが、そうなってくると個々の作品の質は自ずと低下しがちだが、エアーズの場合はそれが当てはまらない。自分が聴けている範囲で言えば(70年代のアルバムの6割程度、70年代後半の作品は数枚しか聴いていない)、少なくとも70年代半ばぐらいまでのアルバムにハズレは無いように思う。
エアーズの数有る名曲の中でも、「Everybody Loves The Sunshine」は、最も代表的な1曲に挙げて誰も異論は無いに違いない大名曲。エアーズがプロデュースしたランプ版(RAMP=Roy Ayers Music Productionの略って、TRF=Tetsuya Komuro Rave Factoryみたいだな)ともども、サンプリング・ソースとしても大人気、カバーも数多い。

その「Everybody Loves The Sunshine」をタイトルに冠した本作は1976年のリリース。
この頃になると、ジャズ色、ニュー・ソウル色は薄まり、ディスコを意識したファンキーな作風が目立つようになるが、どの楽曲も押し並べて高品質。もちろんメロウ方面も健在で、この前後の『Mystic Voyage』『Viberations』同様に楽しめる作品。

本作中では、やはり「Everybody Loves The Sunshine」が頭2つも3つも抜けた存在。黄金色に輝くキーボードやヴィブラフォンの音色、印象的なヴォーカルのリフレインが耳にこびり付いて離れない、正にメロウ・グルーヴ・クラシック。光の届かない深海の底をゆらゆらとたゆたうようなクールで静謐なランプ版に対し、エアーズ版はそれよりややアップテンポで、太陽の光が明るく乱反射しながら揺らめく海面を下から見上げているような、そんなイメージ。

これと同傾向のメロウ曲は他に、白日夢のごとき微睡みのメロウ・ミディアム「Keep On Walking」、蕩けるようなヴィブラフォンの音色と管と鍵盤の甘い響きに、エアーズのエロいヴォーカルがねっとりと纏わりつくジャジー・メロウ・グルーヴ「The Third Eye」があり、いずれも堪らない気持ちよさ。

アルバムの大勢を占めるのはファンク系の曲で、テンション高めのディスコ・ファンク「Hey Uh-What You Say Come On」、メロウ・ジャズ・ファンク・チューン「The Golden Rod」、ダンサブルなファンクの「You And Me My Love」、女性ヴォーカル陣がワサワサと声を盛るグルーヴィー・チューンの「It Ain't Your Sign It's Your Mind」、パーティー・ファンクの「People And The World」、タイトなジャズ・ファンク・ナンバー「Tongue Power」、臭みのあるミッド・ファンク「Lonesome Cowboy」と、どれも水準以上の出来。