rattlesnake
Rattlesnake / Ohio Players
 Westbound '75 

ウェストバウンドからマーキュリーに移籍したオハイオ・プレイヤーズは、1974年から75年にかけて『Skin Tight』『Fire』『Honey』と傑作を連発。この間アルバム『Fire』とシングル「Fire」「Love Rollercoaster」が全米No.1ヒットを記録するなど、オハイオ・プレイヤーズは絶頂期にあった。
その人気に便乗せんと、かつての所属レーベル、ウェストバウンドがオハイオ大ブレイクの真っ只中の75年に、勝手にリリースしたのが本作『Rattlesnake』。未発表曲を中心に既発曲も含んだ作品だが、バンド及びマーキュリー側からクレームを受け、リリース後ほどなくして回収の憂き目にあったという噂の、いわく付きのアルバム。

ジャケットに写るのはウェストバウンド専属(?)の例のスキンヘッド嬢だが、『Fire』の放水ホースに対抗してか、ここでは蛇を裸体に巻きつけている。一見SMっぽさは薄らいでいるが、ダブル・ジャケットを広げると変わらぬドSぶりが明らかに。
当然ながらジュニー在籍時で、ウェストバウンド期のオハイオのサウンドを楽しめるが、一説には、70年代半ばにファンカデリックに在籍した、”ポリエステル製でソウルの粉をまぶした白い悪魔”ことロン・バイコウスキーが数曲でギターをオーバーダブしているとのこと。未完成のままオハイオが残していった曲を、ウェストバウンドが当時同レーベルに所属していたファンカデリックのメンバーを使って完成させたということだろうか。

アルバム・タイトル曲の「Rattlesnake」は、のたうちトグロ巻くようなギトギトに粘りつくグルーヴが、まさにガラガラヘビが這いずり回る様を連想させるエグいファンクで最高。ここでのギター・ソロは確かにファンカデリックっぽい感じもあるような。
「Introducing The Players」はジャジーで渋いナンバーで、こういうのも好きだ。「What It Is」もジャジーな感触のグルーヴィー・チューン。「Rooster Poot」はジュニーがグラニー・ヴォイスで騒ぐ小曲。「Gone Forever」はムーディーなスロウで、これもジュニーらしい曲。

軽快なギター・リフと弾むようなリズムが気持ちいいインスト「Hustle Bird」、シュガーフットがヴォーカルを取る「Spinning」は、適度なポップさがイイ感じ。軽めのインスト「Hollywood Hump」も非常にグルーヴィーで良い。「Laid It」「Varee」はともに『Pleasure』に収録されていた曲。ラストの「She Locked It」もグルーヴィーなインスト・ナンバー。