black whip
Black Whip / Ivan "Boogaloo Joe" Jones
 Prestige '73 

主に70年代前半にプレスティッジ・レーベルで活動したジャズ・ファンク・ギタリスト、アイヴァン ”ブーガルー・ジョー” ジョーンズ。ギターの技術的なことは分からないのだが、例えば同じ時期にプレスティッジに所属していたメルヴィン・スパークスと比べると、ジョーンズのプレイはよりブルージーで泥臭い印象を受ける。

本作『Black Whip』はプレスティッジからの最終作。この後にもう1枚、自主レーベルからリリースした傑作『Sweetback』があるが、この『Black Whip』も甲乙付け難い出来だと思う。デイヴ・ハバード、ソニー・フィリップス、ロン・カーターなど濃いメンツによるグルーヴィーなジャズ・ファンク・サウンドをバックに、ジョーンズが臭みたっぷりのギターを弾きまくる。
一見ファンタジーで可愛らしいが、よく見るとギョッとさせられるようなジャケットも秀逸。

冒頭のアルバム・タイトル曲「Black Whip」は、非常にグルーヴィーな演奏に乗って、ジョーンズの黒く煤けて脂ぎったギターが駆け抜けるカッコいいジャズ・ファンク・ナンバー。「My Love」はポール・マッカートニーのあの曲だが、嫌味なくムーディーにしっとり聴かせてくれる。「Freak Off」はソリッドなグルーヴが疾走する高速ジャズ・ファンク・チューンで、これは堪らんカッコよさ。
その他、ポピュラー調で楽しげなムードの「Daniel」、スロウの「The Ballad Of Mad Dogs And Englishmen」スウィンギーな「Crank Me Up」など、ジョーンズのギターをたっぷりと堪能することができる良盤。