gin and juice
Gin And Orange / Brother Jack McDuff
 Cadet '69 


コテコテ、ギトギトに脂ぎったジャズ・ファンク、ソウル・ジャズ作品を数多く発表したオルガン奏者、ブラザー・ジャック・マクダフ。60年代にはプレスティッジやアトランティック、70年代にはブルーノートにもリーダー作を残しているが、個人的には名ライヴ盤『The Heatin' Sysytem』などカデットでの録音が一番好み。

本作『Gin And Orange』は、リチャード・エヴァンスがアレンジャーを務め、フィル・アップチャーチ、モリス・ジェニングス、リチャード・パウエルらシカゴ人脈がバックアップした、カデットらしいサウンドを楽しめるジャズ・ファンク好盤。マクダフのオルガンが繰り出す、アーシーでネットリまとわりつく黒いグルーヴが堪らなく気持ちいい。

A面トップのギトギトに脂っこいグルーヴの「Mac-Duffin'」から、こちらの期待どおりのジャズ・ファンク・サウンドを聴かせてくれる。ヤング・ホルト・アンリミテッド「Soulful Strut」のあのフレーズを引用したユルユルのラウンジーなソウル・ジャズ「The Electric Surfboard」、グルーヴィーなオルガンをグリグリと響かせる「On The Case」、「Channel One」はスウィンギーな4ビート。

B面も、「Get It Up」「Gin And Orange」と、これまたユルいグルーヴで気持ちよくハモンドをプレイするジャズ・ファンク・ナンバーで極楽気分。「Beep-Bo-Boo」はキング・カーティス「Soul Serenade」みたいなマッタリしたソウル・ジャズ。ボッサ・タッチのオルガン・ジャズ「With The Wind」もイイ。