hair and thangs
Hair And Thangs / Dennis Coffey Trio
 Maverick '69 

デトロイトの白人ギタリスト、デニス・コフィー。
モータウンのセッションでも数多くギターを弾いてきた彼が、60年代末の混沌とした時代にリリースしたリーダー作『Hair And Thangs』。
当時サイケデリック・ソウル路線を推し進めていたノーマン・ホイットフィールドや、モータウンのライターでもあったジョージ・クリントンらとも関わりがあっただろうデニスのソロ作が、穏健なモータウン・ポップになるハズもなく、本作は何とも荒っぽいサイケデリック・ファンク・ロック・アルバムになっている。
実際、ファンカデリックの1stアルバム中の数曲にデニスは参加していると思われるが、本作はあのダークでドス黒く禍々しいグルーヴにはさすがに及ばないが、ノイジーでサイケなグルーヴが渦巻くガレージ感漂うサウンドは、初期ファンカを好む向きには十分楽しめるだろう内容。

トリオと言いつつ実際は4ピースの編成のようで、ベースはやはりファンク・ブラザーズの一員であるボブ・バビット、ドラムはノーマン作品などで起用されたアンドリュー・スミス、オルガンは後に暗黒ジャズ・ファンク・アルバム『Saturday Night Special』をリリースするライマン・ウッダードなどが名を連ねる。
アルバムはカバー曲が大半で、オリジナル曲は「Hair & Grits」「Iceberg's Thang」「Electric Thang」の3曲のみ。いずれもアシッドなサイケデリック・ファンク・グルーヴで、ハードなギターをバリバリ弾き倒し、渦巻くオルガンと爆裂ビートのドラムスもなかなか強力。
本作はタイトルにもあるように、一応ミュージカル『Hair』をテーマにした作品という体裁で、劇中に使用された「Let The Sunshine」「Aquarius」「Sodomy」の3曲をカバー。その他、ビートルズ・カバーが「Get Back」「Hey Jude」、ワッツ103rdストリート・リズム・バンド「Do Your Thang」、アイズレー・ブラザーズ「It's Your Thang」など、当時のヒット曲を取り上げているが、どれもこれもサイケなファンク・ロックになっている。