aint it funky
Ain't It Funky / James Brown
 King '70 

JBの70年代最初のリリースとなった本作『Ain't If Funky』はインスト・アルバム。
全7曲中、本作用に用意された楽曲は「Ain't It Funky」「Fat Wood」「Nose Job」の3曲で、残りは既発曲をインスト仕立てに焼き直したもの。この頃のJBのアルバムではデフォルトと言っていい水増し感だが、しかし内容は良い。クライド・スタブルフィールド、ジョン "ジャボ" スタークス、ジミー・ノーラン、アルフォンソ・ケラム、チャールズ・シュレル、フレッド・ウェズリー、メイシオ・パーカー、セントクレア・ピンクニー、リチャード "クッシュ" グリフィスといった、黄金期の錚々たるメンバーを擁し、またJBのヴォーカルの代わりに、御大の弾くファンキーなオルガンが大きくフィーチャーされており、演奏は文句の付けようのないカッコよさ。
この直前にもJBは同種のインスト・アルバム『The Popcorn』をリリースしているが、ここから70年代のJB'sの一連のアルバムへと繋がっていくことになるのがよく分かる、プレJB's的なアルバムに本作はなっている。

アルバム・タイトル曲「Ain't It Funky」は 、『Love Power Peace』での熱く燃え盛る超絶ファンキーな演奏がやはり強烈に印象に残るが、このスタジオ録音版ではクールなグルーヴが潜行する抑制されたジャズ・ファンクになっていて、コレはコレでカッコいい。
「Fat Wood」はユルくスウィングするジャジー・ナンバーで、ここでは曲頭からJBのフリーキーなオルガンがダラダラと垂れ流される。ギャングスター「What You Want This Time」でのサンプリングを思い出さずにはいられない「Nose Job」は、リッチなホーン・セクションがイカすビッグバンド・ジャズ・ファンク。

「Cold Sweat」「Give It Up Or Turnit A Loose」はヴォーカルを抜いてギターをもう1本オーバーダブしたヴァージョン。原曲を聴けば事足りてしまうが、この演奏自体のカッコよさは言うまでもない。
他の2曲も同様に原曲から歌を抜いてギターを足したもの。「Use Your Mother」は『Motherlode』に収録されていた未発表曲「You Got To Have A Mother For Me」が原曲で、ここから最終的にはボビー・バード「I Need Help」となった。「After You Done It」はマーヴァ・ホイットニー「I Made A Mistake」がオリジナル。