tank
Live Vibes EP / Tank & The Bangas
 Verve '18 

ヴォーカルのテリアナ ”タンク” ボール率いるニューオリンズのバンド、タンク&ザ・バンガーズ。
一般オーディションを勝ち抜いて出演を果たしたタイニー・デスク・コンサートでのパフォーマンスで一躍業界の注目を集めた、今話題の新進バンド。
それ以前の2013年にアルバム『Think Tank』をリリースしているようだが、フィジカルでは地元でごく少数しか出回っていないとのことで入手困難(デジタル販売もあるけど)。他に、おそらくデジタルのみでライヴ盤『The Big Bang Theory』(タイトルからして最高)というのもあるが、今だにデジタルに拒否反応を示すカラダゆえ、これらの音源を頑なに聴くことなく悶々としていたところ、レコード・ストア・デイ2018限定版として6曲いりライヴLPがリリースされた。

正規のバンド・メンバーは7人のようだが、この地元ニューオリンズでのライヴでは最大で11人の編成。タイニー・デスクで演ってた3曲のうち、「Quick」と「Boxes And Squares」をここでもパフォームしているが、必然的に小編成とならざるを得ないタイニー・デスクと比べて、やはりフルバンドでの演奏とあって桁違いの迫力とグルーヴを聴かせてくれる。

アルバムは、キーボードによるイントロダクション的な「Not Mr. Rodgah's Neighborhood」に導かれて「Quick」へ。タイニー・デスクでのこの曲は、タンクとバック・ヴォーカルのアンジェリカ "ジェリー" ジョセフとの絶妙な絡みを軸に曲が展開していったような印象だったが、ここではそういった要素は薄く、バンドの圧倒的なグルーヴで曲をグイグイ引っ張っていく。

「X's」は柔らかく幾重にも重なるようなフルートの音色が気持ちいいジャジーなナンバー。「Ripperton Love」もジャジー・ムードのオーガニックなグルーヴ。初期のジル・スコットを引き合いに語られることも多いタンク&ザ・バンガーズだが、この曲なんかはまさにジル・スコットのライヴ盤『Experience : Jill Scott 826+』を思い出した。

「Boxes And Squares」での、コミカルに表情を目まぐるしく変えるタンクのヴォーカルは、楽しくも確かな技量に裏打ちされている。やはり「Quick」同様にジェリーは目立たず、バンドとしてのグルーヴを押し出した格好。ラストの「Twice(All Wayz)」はスピリチュアルなムードのスロウ。