renewable energy
Renewable Energy / The New Mastersounds
 One Note '18 

ギタリストのエディー・ロバーツを中心に結成されたUKの4人組ジャズ・ファンク・バンド、ニュー・マスターサウンズ。
ケブ・ダージの後押しを受けるカタチでアルバム・デビューしたのが2001年。JBやミーターズなど、60年代末頃のヴィンテージでラグドなファンク/ジャズ・ファンク・サウンドを身上とし、盛り上がりを見せ始めたディープ・ファンク・シーンを牽引した代表的なバンドのひとつ。
すでに10枚以上のアルバムをリリースしているが、自分がちゃんと聴いたのはキャリア初期の数枚のみで、この10年ほどはあまり積極的にフォローしてこなかったのだが、今年出た最新作『Renewable Energy』を久々にチェックしてみて、かなり気に入ってしまった。

やってることは以前と何も変わっちゃいないと思うが、このいい具合に汚れたファンク・サウンドは、やっぱり文句なく気持ちよくカッコいい。60年代末のヴィンテージ・サウンドに、UK的な洗練や洒脱さが嫌味にならない程度に塗されていて、非常に聴きやすく何度も聴いてしまう。

アルバムのオープニング・トラック「Chicago Girl」は、十八番のミーターズ調ファンクでハズさない。踊れるラテン・ファンクの「Tantalus」、女性ヴォーカル入りのディープ・ファンク・チューン「Gonna Be Just Me」、ゆったりしたグルーヴのジャズ・ファンク「Pudding & Pie」、「Green Was Beautiful」はグラント・グリーンばりのファンク・ギターがグリグリ疾走するジャズ・ファンク・ナンバーで壮絶なカッコよさ。

ヴォーカル入りの「Funk 49」はロッキッシュでゴツゴツしたグルーヴのファンク・ナンバー。90年代アシッド・ジャズ的な「Yokacoka」、渋くキメるジャズ・ファンク「Living That Jazz Life」、地を這うようなグルーヴがカッコいいゴリゴリのファンク・チューン「Stash」、バンド一丸となってグルーヴしまくる「Groovin' On The Groomers」、ヒップに跳ねるジャズ・ファンク「Hip City」、ラストの「Swimming With My Fishies」は涼やかなジャジー・グルーヴ。