Roy Ayers Ubiquity
Polydor '70
ロイ・エアーズは60年代からアトランティックなどにリーダー作を残しているが、1970年にはポリドールへと移籍。以降、70年代を通してポリドールからユビキティー名義で精力的にアルバムをリリースし続けるが、その起点となるのがポリドール及びユビキティー1作目となる本作。
アルバム・ジャケットからも窺えるとおり、本作で聴けるのはサイケデリックなジャズ・ファンク・サウンドで、その後のエアーズ作品に特徴的なメロウ成分はまだ薄く、よりアーシーでソウルフルなムード漂う。エアーズとともにエドウィン・バードソングがアレンジを手掛けており、その他にアルフォンス・ムザーン、ハリー・ウィテカーなどが参加。
アルバム・オープニングの「Pretty Brown Skin」はサイケデリックなグルーヴのジャズ・ファンク・チューン。バカラック・ナンバーの「Raindrops Keep Fallin' On My Head」は、エアーズのヴィブラフォンがまるで雨音のように響く。太いベースのグルーヴがウネりオルガンが渦巻く「I Can't Help Myself」、「Love」もどこかサイケなムード漂うジャズ・ファンク。
「The Fuzz」はファズ・ギターがバリバリ唸るグルーヴィー・チューンで、ドラムの叩き出すビートも強力。「Hummin'」はエアーズのネットリまとわりつくヴォーカルが猥雑なムードを醸すミディアム・ナンバー。「Can You Dig It?」は螺旋状のグルーヴがトグロ巻くジャズ・ファンク。ラストの「Painted Desert」はアブストラクトなムードのジャズ・ファンク・ナンバー。
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