night fever
Night Fever / The Fatback Band
 Spring '76 

とにかく膨大なリリース数を誇るファットバック。80年代にも『Hot Box』『Tasty Jam』といったゴツいファンク傑作があるが、パーセプション~イベント~スプリングとレーベルを渡り歩いて量産した70年代の作品には(そのすべてを聴いたわけではないが)ハズレがない。

ジャケットが最高過ぎる本作『Night Fever』は76年リリースの7作目。時節柄、またこのアルバム・タイトルからも分かるとおり、猛威を振るい始めたディスコ・サウンドにまた一歩踏み込んだような内容と言え、レコード両面のトップにディスコ路線の曲を配していることも印象的。
しかし、その2曲にしても、黒く汗臭いファンクネスが濃厚にウネっていて、タダのディスコに終わっていないのは流石。A面トップのアルバム・タイトル曲「Night Fever」は、灼熱と狂騒のディスコ・ファンク・ナンバーで、ラテン・パーカッションが煽り立てる中、咽返るような猥雑さを撒き散らしながら疾走する。あまりに直球なタイトルに一瞬怯むB面1曲目「Disco Crazy」は、地名連呼型のディスコ・ファンクで、パーティー・バンドとしてのファットバックの本領が発揮されたナンバー。

もちろん、重く泥臭いファンクもしっかり収録。「A Little Funky Dance」はヘヴィーなベースのグルーヴが強力にウネリまくるミッド・ファンク。「The Joint(You And Me)」はゴリゴリにハードなファンクだが、サビの部分でメロウに展開する黄金パターンには昇天必至。「The Booty」は粘っこくナスティーに黒光りするミッド・ファンク。「No More Room For Dancing」も離着陸を繰り返すベースが骨太なグルーヴを繰り出すヘヴィー・ファンク。

汗だくの暑苦しい曲が居並ぶ中、「If That's The Way You Want It」は体感温度を3℃下げる清涼メロウ・フローターで、サウナの後の水風呂みたいなもんでコレは堪らん気持ちよさ。アルバム・ラストの「December 1963(Oh, What A Night)」は、前年にフォー・シーズンズというグループ(知りません)がヒットさせた曲のカバーということで、こういうポップな感じも悪くない。