retroman
Retroman / Shock
 Local Only Recordings '94 

80年代前半に4枚のアルバムをリリースしたファンク・バンド、ショック。
バンドの創設者ロジャー・ソースと、元プレジャーの凄腕ギタリスト、マーロン・マクレーンが中心となり、80年代屈指のヘヴィー・ファンク・アルバムとなったファンタジー・レーベルからの1枚目などの傑作を残したが、やはり時代の波には抗えず、83年の『Nite Life』を最後にアルバム制作は途絶えることに。その後はシングルを数枚リリースするのみで、バンドは開店休業状態(ライヴはやってたのかもしれないけど)。

しかし、94年になって突如沈黙を破りリースされたのが、11年ぶりの5thアルバムとなる本作『Retroman』。ヒップホップやニュージャック・スウィング全盛の時代に、どマイナーなレーベルからリリースされたオールド・ファンク・バンドのチープ極まるジャケットのCDが、当時話題になるわけもなく、自分もその当時に本作の情報に触れた記憶がない(BMRに載ってたかもしれないが憶えてない)。その後だいぶ経って、2010年にショックの未発表曲やライヴ音源などをコンパイルしたCD『After Shock』が出たのと同じ時期に本作も再発され、そこで初めて聴くことができた。

マーロン・マクレーンはバンドを去ったが、ロジャー・ソースの他、ベースのジョー・プラス、ギターのスコット・ボイドらは本作でもメンバーとして名を連ねる。94年にあってもヒップホップやニュージャックに日和ることなく、以前と変わらぬ80'sバリバリなファンク・サウンドを叩きつけてくる潔さ。時代錯誤も甚だしいアルバムだが、これがまたどうしようもなくカッコいいんだから堪らない。

アルバムの幕開けを飾る「Time Or Our Lives」は、粘着ビートが強力にバウンスするザップ/ロジャー調のミッド・ファンクで、トークボックスまで導入する念の入れよう。「Under The Gun」はブライズ「Disco To Go」のあの必殺リフを曲頭と最後に配したPファンク・スタイルのヘヴィー・ファンク。「T.V. Talk Show Utopia」はギャップ・バンドっぽいブギー・ファンク・ナンバー。
ソリッドなファンク・チューンの「Ricky's Point Of View」、これもトークボックス入りの「Dr. Jack」、弾むビートと炸裂するクラップ音が強烈な「Civil Warrior」、パーカッシヴなグルーヴが気持ちいい「Incorrect」、キーボードがグルーヴィーにウネるファンク「Layin Down The Law」、ダンサブルなディスコ・ファンクの「Eyes On The Prize」、ラストの「Mad In America」まで、80年代の諸作と比べても何ら見劣りしないファンク・チューン連発の痛快作。