goodfellas
Goodfellas / Show & A.G.
 Payday '95 

ニューヨークきってのハーコー集団、ディギン・イン・ザ・クレイツの中核を成すコンビ、ショウビズ&AG。
1stフルアルバム『Runaway Slave』は、90年代前半のヒップホップを代表する名盤。グループとしての活動の他に、ショウビズはプロデューサーとして多方面で活躍。前作からおよそ3年ぶりとなる2ndアルバム『Goodfellas』は、曲のタイトルにもあるように、ショウビズ(本作からショウに改名)のプロダクションはネクスト・レヴェルに到達。よりハードでダークなアンダーグラウンド臭ムンムンのトラックとAGの澱みないフロウは、ブラックネスに満ち満ちている。

D.I.T.C.のロード・フィネスやダイアモンドDの他、DJプレミアやDJロックレイダー、メソッドマン、ブラックシープのドレスなども参加した本作、派手でアッパーなパーティー・チューンが目立った前作と比べると、パッと聴いたかぎりではやや地味な印象は拭えないかもしれないが、ジワジワと後から後から効いてくる三年殺し的な傑作。

アルバムのオープニングを飾る「Never Less Than Ill」から「You Know Now」「Check It Out」と、ひたすら鈍く重い音塊を叩きつけてくる。ロード・フィネス・プロデュース&客演の「Add On」もゴリゴリのアンダーグラウンド・ハードコア・ヒップホップ。クール&ザ・ギャング「Jungle Boogie」声ネタのプレミア・プロデュース「Next Level(Nyte Time Mix)」は、当時のプリモ先生の好調ぶりが窺える余裕のクラシック。

ロックレイダーによるプロデュースの「Time For」はダークでクールなムードで、ビートマイナーズを思わせるようなサウンド。ドレスが共同でプロデュースに加わりメソッドマンが客演した「Got The Flava」もアングラ感横溢のハーコー・シット。硬いスネアが耳に突き刺さる「Neighbahood Sickness」、重低音ビートが轟く「All Out」「Medicine」、ファンクネス漲るミドル「I'm Not The One」、ダイアモンドD客演の「Got Ya Back」、「Next Level」のオリジナル・ヴァージョンはよりザラザラした感触でコッチもイイ。ラストの「You Want It」はジャジーでドープなミドル・チューン。