suzie super groupie
Suzie Super Groupie / Junie
 Westbound '76 

ジュニーがウェストバウンドからリリースした3枚のアルバムは、どれもユニークで、型破りで、ブッ飛んでて、とにかくファンキーで最高なのだが、その3枚のうちの最後の作品となる本作『Suzie Super Groupie』も、ますますそのキュートでストレンジな個性に磨きがかかっていて素晴らしい。

本作をリリースした76年には、オハイオ・プレイヤーズはヒット曲を連発し、押しも押されぬ人気バンドになっていたわけだが、一方のジュニーは商業的な成功を手にすることは出来ず、本作を最後にウェストバウンドを離れることに。かつての同僚たちがスターダムを駆け上がっていくのを横目に、ジュニーは一体どんな心情だったろうかと思うと何だか切なくなってくるが、後の「One Nation Under A Groove」「(Not Just)Knee Deep」のヒントが散りばめられているような気もする本作は、もっと正当に評価されて然るべき作品だ。

イントロダクション的な小品「Junie Ⅲ」に続く2曲、「Suzie Thundertussy」「If You Love Him」はファンキーでありながもポップ・ミュージックとしての魅力にも溢れる曲で、ジュニーが後のプリンスにも通じる才能の持ち主であることを感じさせる。
「What Am I Gonna Do」は重心低めのミディアム・ファンクだが、ここでも飽きさせない凝った展開を見せる。「Super Groupie」も強力なファンク・チューンで、シンプルなカッコよさに溢れているが、よく聴くとやっぱりどこか捻じれたような感覚があって一筋縄ではいかない。

「Surrender」は意外なダイアナ・ロスのカバー。もちろんジュニーの手にかかればヒネくれファンクの一丁上がり。「Suzie」はポップで可愛らしい曲調だが、こういうのもジュニーらしさ。
「Stone Face Joe」はポップ/ロック調で、途中ニューオリンズ風味のピアノとホーンのパートや、グッとテンポを落として展開する部分があったりで、アイディア豊富過ぎで面白い。
ラストの「Spirit」はしっとりとしたピアノ・バラード。かと思いきや途中からハードなファンク・ロックへと急転直下。最後まで聴き手を飽きさせない。