brand new funk
’78 / Brand New Funk
 Vibration '78 

70年代にはオール・プラチナムからモーメンツをはじめとするスウィートなヴォーカル・グループを輩出し、80年代にはシュガーヒルを立ち上げラップ黎明期を支えた、レーベル経営者/プロデューサー/シンガーのシルヴィア・ロビンソン。
このブラン・ニュー・ファンクは、そのシルヴィアの号令のもと召集されたスタジオ・ミュージシャンたちによるプロジェクト。
リーダー作も数枚あるジャズ・サックス奏者、セルダン・パウエルもメンバーに名を連ねるが、ギターのスキップ・マクドナルドやリヴィング・カラーでもベースを弾いたダグ・ウィンブッシュなど、後のシュガーヒルのハウスバンドのメンバーも含まれる。
プロジェクトの性格上、スタジオ・ミュージシャンのセッション集といった匿名的な雰囲気の作品ではあるけれど、まさに1978年の最新型のファンク・ミュージックを提示することをコンセプトとしていると思われ、ディスコを横目で睨みつつも、腰の強いベースがはじき出すタイトなグルーヴを中心に、なかなか聴き応えのあるファンク・アルバムになっている。

アルバム・オープニングの「Jump Into Love」は、ロジャーのキャリア初期のヒューマン・ボディ時代を思わせるようなブギー・ファンク。ボズ・スキャッグス「Low Down」のカバーは、スラップしまくるベースがグルーヴィーで気持ちいいファンク・ナンバー。
「Tastee」はゆったりとしたグルーヴに揺られるインスト・ミッド・ファンク。「Fingers Do The Walking」はダンサブルなファンク・チューン。ラストの「Classic Funk」は骨太のパーティー・ファンク。