running water
Running Water / Clarence Reid
 Alston '73 

アルストンを中心に数多くのマイアミ産ソウル・ミュージックに裏方として関わってきたプロデューサー/ソングライター、クラレンス・リード。基本的に裏方志向の強い人だと思われるが、正体を隠し(?)謎の覆面怪人ブロウフライに扮し結構な数のアルバムをリリース。その一方で本名のクラレンス・リード名義でもリーダー作を4枚出している。

ブロウフライがスケベで下品なC級エンターテインメント路線を徹底していたのに対し、本名では3枚目となる本作『Running Water』は、シンガー・ソングライターとしての姿勢を打ち出したニューソウル作品。プロデュースはスティーヴ・アレイモとウィリー・クラーク、アレンジャーはリトル・ビーヴァーと、当時のマイアミ・ソウルの主要な面子がバックアップ。この時代のマイアミ・ソウルやニュー・ソウルの旨味をたっぷり吸収した好盤。

冒頭いきなりのドラム・ブレイクからスタートするオープニング・ナンバー「Living Together Is Keeping Us Apart」、メロウ風味のミディアム・ナンバー「New York City」、ワウ・ギターがネチッこく絡みストリングスが緊張感を煽るカーティス調ファンク「If It Was Good Enough For Daddy」、リトル・ビーヴァーのギターが「Clean Up Woman」的な風情を醸す軽快なミディアム・ソウル「Real Woman」、電話の音から始まる「Please Accept My Call」、「The Truth」はややブルージーな味わい。

「Ruby」は一聴、ジャクソン5かと思わせるギターに惹きつけられる軽やかなポップ・ソウル。「Love Who You Can」は、やはりこの時期にニュー・ソウルに接近した作品を発表していたアイズレー・ブラザーズ風グルーヴィー・ソウル。円やかなサザン・コンフォート「Please Stay Home」、ラストの「Like Running Water」は重厚なムードのニュー・ソウル・ナンバー。