on tv
On TV / Blowfly
 Weird World '74 

謎の覆面怪人、ブロウフライ。その正体はマイアミ・ソウルの名プロデューサー/ソングライター/シンガー、クラレンス・リード。
映画やら星座など、毎回テーマを設けてフザケたエロ路線のアルバムをかなりの枚数リリースしている。ジャケットもこのとおり、エロいというか下品(褒め言葉です)なモノが多く、だから正体を隠して(いるつもりかどうか知らないが)、名前も変えているのだろうか。本名名義のアルバムは、ニューソウル路線の『Running Water』のようなシリアスなモノもあり、とても同一人物の作品とは思えない振れ幅の大きさ。

本作『On TV』は、タイトルどおりテレビをネタにした作品で、曲タイトルも有名テレビ番組まんまだったりと、悪フザケが徹底している。
「Ed Sullivan Show」は、同じクラレンスでもクラレンス・カーターの「Patches」も折り込んだファンキー・チューン。「Sesame Street」は強力ドラム・ブレイク入りのディープ・ファンク。「Batman」「Batman #2」はあの有名なバットマンのテーマに乗ってブロウフライが黒く下品な漫談を繰り広げるが、演奏はドファンキーでカッコいい。スティーヴィー・ワンダーのカバー「Signed & Sealed」もおそらく中2レベルの卑猥な替え歌なのだろう。

「Tom Jones Show」は、トム・ジョーンズ「It's Not Unusual」やジョージ・ハリスン「Something」、パーシー・スレッジ「When A Man Loves A Woman」などの有名曲の替え歌をグルーヴィーな演奏に乗せて気持ちよさそうに唸る。「One Less Dick」はタイトルからしてしょーもないが、やはり演奏はカッコいい。