sanctified sound
Stu Gardner And The Sanctified Sound
 Volt '74 

このステュ・ガードナーという人は、ビル・コスビー・ショウの音楽監督をやっていた人らしいとのこと。
アルバムも何枚かリリースしているようだが、なかではビッグマウス名義で出した作品と、73年の本作が1番知られた作品のよう。
本作のバッキングは、ジェイムス・ギャドソン、アル・マッケイらワッツ103rdストリート・リズム・バンドのメンバーが中心的役割を担っているようだ。この時期のワッツ・バンドの仕事と言えば、マイク・ジェイムス・カークランド『Hang On In There』や、ビル・ウィザーズ『Still Bill』があるが、本作には親分チャールズ・ライトもクレジットされている。また、アイズレーやボビー・ウォマック作品で知られる鍵盤奏者のトゥルーマン・トーマスも参加している。プロデュースはジェイムス・ギャドソンで、おそらくギャドソンのプロデュース・ワークとしては最初期の作品と思われる。
主役の歌やキーボード演奏に特別魅力があるわけでないが(曲は全曲自作)、ワッツ・バンドの面々を軸に繰り出されるグルーヴィーなソウル/ファンク・サウンドは、先に挙げた『Hang On In There』や『Still Bill』にもやはり通じるものがあり、これはなかなかの好盤だと思う。

アルバム冒頭の「Devil In A Man」はどっしりしたリズムのミッド・ファンク。メロウなミディアム・ソウル「Added To Broken Heart」、ホーンも効いたグルーヴィーなファンク・チューン「Funky Neighborhood」、地味目のスロウ「Home On The Range」、「Mathida」はグルーヴィーなインスト・ナンバー。
「Sanctified Sound」はややブルージーな味わいを持つ曲。ワウ・ギターがファンク心をくすぐる「Sister Matilda」、クラヴィネットがじんわり効いた哀愁ソウル「Leave Him Alone」、ラストの「The Sweetest Song」もグルーヴィーで最後まで飽きさせない。