birth day
Birth Day / The New Birth
 RCA '72 

70年代初頭にハーヴィー・フークワのプロデュースでRCAからレコード・デビューを果たした、インスト・ファンク・バンドのナイト・ライターズと、ヴォーカル・グループのラヴ・ピース&ハピネス。
2つのグループはそれぞれの活動と並行しながら、両者が合体(+α)して誕生した大型ヴォーカル&インストゥルメンタル・バンド、ニュー・バースとしても活動。
アース・ウィンド&ファイアを代表格とする、複数のヴォーカル陣とホーン・セクションを擁した大型ファンク・バンド隆盛の時代の到来を、フークワはいち早く予見したのか。それぞれ演奏とヴォーカルに特化した両グループを合体させることでスーパー・バンドの結成を目論んだ。やがて両グループとも単独での活動は縮小していき、ニュー・バースとしての活動へ一本化されていく。

「Wild Flower」や「Dream Merchant」などのヒットもあり、70年代から80年代初めにかけて13枚ものアルバムをリリースするなど安定した活動を続けたニュー・バースは、星の数ほどの無名バンドがレコード1枚残せず消えていったファンク・バンド戦国時代においては、十分に成功した部類に入るだろう。
レズリー・ウィルソンという強力なシンガーを抱え、手堅い演奏力を誇り、『Behold The Mighty Army』などは70年代ファンクの傑作だと思うが、ニュー・バースならではの特徴的なサウンドと言えるものがなく強烈なインパクトに欠けることが、アースやオハイオ・プレイヤーズ、パーラメント/ファンカデリック、クール&ザ・ギャングなどの真のスーパー・バンドと比べて、このバンドの印象を薄いものにしているように思う。

本作『Birth Day』は4枚目のアルバム。
アルバム・オープニングのボビー・ウォマック「I Can Understand It」のカバーは、ウォマック版よりも速いテンポのファンキーなナンバー。「Until It's Time For You To Go」は女性ヴォーカルによるバラード。「Got To Get A Knutt」は凝った展開のファンク・チューン。
「Theme From "Buck & The Preacher"」はシドニー・ポワチエ 主演・監督映画のテーマ曲で、ブラックスプロイテーション・サントラらしいスリリングでファンキーな楽曲。スタイリスティックスのヒット・カバー「Stop, Look, Listen(To Your Heart)」は、甘いムードのスロウ。
地味渋ミドルの「Easy, Evil」、ラストの「You Are What I'm All About」はコーラス・ワークで聴かせるミディアム・ナンバー。