those sexy moments
Those Sexy Moments / The Moments
 Stang '74 

ハリー・レイ、アル・グッドマン、ビリー・ブラウンの3人からなる、ニュージャージーを代表するソウル・ヴォーカル・グループ、モーメンツ。
かの女帝、シルヴィア・ロビンソンのレーベル、オール・プラチナム傘下のスタングより、60年代末から作品をリリースしているモーメンツだが、本作『Those Sexy Moments』は数えて9作目となるアルバム。
まず、このレーベルならではのモコモコとくぐもったサウンドが醸し出す甘ったるく妖しげなムードが堪らなく官能的。そこに乗る3人の甘く狂おしいハーモニー、特にリード・シンガーのハリー・レイの気だるげなファルセットのエロさと言ったら。

オープニングの「Yogi's Theme」はグルーヴィーなトラックをバックにモーメンツのメンバーがガヤガヤとダベるイントロダクション的な小品で、タイトルにあるとおりニューヨーク出身のセッション・ドラマー、ヨギ・ホートンの作。
スウィート&メロウなソウル・ダンサー「Sweet Sweet Lady」、イナタいムードのメロウ・グルーヴ「You've Come A Long Way」、グルーヴィーなメロウ・ファンク「Give Me Some More」、メランコリックに揺れるスロウ「Seven Days」、「Baby I Don't Like You」はムーディーなスウィート・ソウル。

「How Can I Love You」はシタールが妖しく響くメロウ・スウィートなスロウ。ズンドコ・リズムでムズムズさせるミディアム・ナンバー「Music In Your Eyes」、甘くトロけるハーモニーに包まれるスロウ「Look At Me」、「Sexy Mama」は、退廃的な美しさを醸すストリングス、パカポコと妖しく響くパーカッション、風呂場で歌っているようなエコーも眩惑的な官能メロウ・グルーヴ。
「Next Time I See You」もジワジワと擽るようなリズムに魅入られるメロウ・グルーヴ。エンディングには再びヨギ・ホートン作のグルーヴィーでカッコいいインスト「Yogi Says Goodbye」で、アルバムに統一感を持たせている。