sparkle
Sparkle / Aretha Franklin
 Atlantic '76 

先日から非常に心配な情報が伝えられているアレサの回復を祈りつつ、今日はこの70年代後半の名盤を。
67年のアトランティックからの1stアルバム『I Never Loved A Man The Way I Love You』を皮切りに、『Lady Soul』『Live At Fillmore West』『Young, Gifted And Black』などの傑作を数多くリリースし、クイーン・オブ・ソウルの称号をほしいままにしたアレサだが、70年代半ば以降はその威光にも翳りが見えてきたようで、個人的にもその辺りの作品はあまり聴けていないのだけれど、カーティス・メイフィールドがプロデュースした76年の本作『Sparkle』は、その中にあって文字どおり一際輝いている。

本作は、アイリーン・キャラ主演、3人組女性ヴォーカル・グループの成功の軌跡を描いた映画『Sparkle』のサントラ盤。もちろん映画本編は見ていないけれど、そのプロットからしてスプリームスを思わせる。後の『Dreamgirls』(こちらも見てない)は『Sparkle』を下敷きとしているとのこと。
サントラの制作にあたって、プロデューサーの人選が先だったのか、それともアレサの起用有りきだったのか分からないが、自身の『Superfly』以降、グラディス・ナイト&ザ・ピップスの『Claudine』やステイプル・シンガーズ『Let's Do It Again』など多くのサントラを制作してきたカーティスだけに、ここでも良質な仕事ぶりを見せてくれる。グラディスやメイヴィスといった超実力派をプロデュースしてきた経験が存分に生かされていると思われ、本作でも女王アレサの魅力をうまく引き出している。

アレンジはカーティスとリッチ・テューフォ、エンジニアはロジャー・アンフィンセン、演奏陣にはフィル・アップチャーチ、ジョセフ "ラッキー" スコット、ドネル・へーガン、マスター・ヘンリー・ギブソンなど、バック・ヴォーカルにキティー・ヘイウッド・シンガーズと、当時のカートムの面子が総出でバックアップ。カートムらしい柔らかなシカゴ流儀のソウル・マナーとアレサの邂逅はなかなか新鮮だし、実に丁寧に制作されているのが感じ取れる。

アルバムのオープニングは、カーティスも『Never Say You Can't Survive』でセルフ・カバーしたタイトル曲「Sparkle」。カーティス版とはまた違った魅力を放つ名曲で、アレサのリードとキティー・ヘイウッド・シンガーズのバック・コーラスがゴスペル的な盛り上がりを見せる。
ゆったりとしたテンポでもてなす「Something He Can Feel」と、溌溂とした掛け合いが聴かれる「Hooked On Your Love」の2曲は、後にアン・ヴォーグが『Funky Divas』でカバー。「Look Into Your Heart」は美しいアレンジの施されたバラード。
重たいムード漂うスロウの「I Get High」、本作中唯一ファンキーな「Jump」、ミディアムの「Loving You Baby」、シャッフル調の「Rock With Me」など、アルバム1枚とおして楽しめる。