keepin it together
Keepin' It Together / Lonnie Hewitt
 Wee '77 

カル・ジェイダーの作品などに参加していた鍵盤奏者、ロニー・ヒューイット。
およそソウルのレコードとは思えないジャケットの本作『Keepin' It Together』は、ロニーの唯一のリーダー作。レイ・オビエド、ポール・ジャクソン、ゲイロード・バーチ、ピート・エスコヴェードなど、ベイエリアのミュージシャンがバックアップ。ニュー・ソウル以降のメロウなサウンドにジワリと滲むファンクネスが美味しい好盤。70年代後半のベイアリア産ということで、グレッグ・エリコ絡みのアイク・ホワイト『Changin' Times』にも通じるムード(『Changin' Times』のような重苦しい感じではないけれど)。

アルバムのオープニング曲「Is It Me?」は円やかなメロウ・ソウル。ロニーによるバリー・ホワイトばりの低音語りに、滑らかに転がるキーボード音が気持ちイイ。「I Gotta Keep My Bluff In」も西海岸テイストのメロウ・グルーヴ。爽快に吹き抜けるようなコーラスも涼やか。
このA面2曲は、それぞれ曲の途中に「Reflections」という別のパートが挿入される構成になっていて、曲調はもちろん、このようなコンセプチュアルな仕立ても実にニュー・ソウル的。
B面トップの「Funky Thang」は重いリズムで揺さぶるファンク・ナンバーで、緊張感を煽るストリングスも効果的。

「Newsroom」は、ベイエリア・ファンクの未発表曲を集めたコンピレーション『Welcome To The Newsroom』に収録されたポール・ティルマン・スミスの同名曲のカバー。改めて『Welcome To The Newsroom』のクレジットを読んでみると、ポールの楽曲の多くにロニーが参加しており、オリジナル版「Newsroom」もロニーがキーボードを弾いている。ポールは、本作と同じ77年リリースの自身のグループ、ヴァイタミンE『Sharing』でもこの曲を再演している。
この3ヴァージョンの「Newsroom」、いずれもそれぞれ素晴らしい出来で、個人的にはイナタくメロウ・グルーヴィーなオリジナル版が最も好みだが、このロニー版はオリジナルのムードを継承しつつ、ヴォーカルとストリングスを厚く重ね洗練されたソウル・ステッパーとなっていて、コレもなかなかイイ。

「Ready To Live」もやはりオリジナル版が同コンピに収録されており、こちらはポールとロニーの共作となっている。ラテン・フィールが臭う乾いたファンク・ナンバーだったオリジナル版よりも、ここで速いテンポで疾走するグルーヴィーなファンクになっている。
アルバム・ラストの「Epilogue」は、A面で小出しにされていた「Reflections」の本編といったところ。アルバム全体を一編の組曲として捉えたつくりは、やはりニュー・ソウル風だ。