in control
In Control Volume 1 / Marley Marl
 Cold Chillin' '88 

80年代後半のニューヨークを代表するヒップホップ・プロデューサー、マーリー・マール。
愛機SP-1200を駆使した独特のドラム・サウンドとサンプリング・ループは、この時代のヒップホップを象徴する音のひとつ。地元クイーンズを根城に、ビッグ・ダディ・ケインやビズ・マーキーなどの名曲を数多く手がけた彼が、その集大成としてリリースしたのが初のリーダー作となる本作『In Control Volume 1』。
マーリーの息のかかったジュース・クルーの面々が総出でマイクを握る本作、クラシック・チューンがテンコ盛りで、まるであの時代のニューヨーク産ヒップホップのサウンドのショーケースといった感じ。本作をリアル・タイムで聴いていたわけではなく90年代に入ってからの後追いだが、80年代末のシーンの雰囲気が伝わってくるかのようでゾクゾクしてくるのは今聴いても変わらない。歌モノR&Bも含み音楽性の幅を広げた91年の続編『In Control Volume Ⅱ』も好き。

JB「Make It Funky」、リン・コリンズ「Rock Me Again & Again & Again & Again & Again & Again」をサンプリングしたクレイグG「Droppin' Science」が初っ端から登場。ジョー・テックス「Papa Was Too」のドラム・ビートとオルガンをループしたビズ・マーキー&ヘヴィーD「We Write The Songs」、JB「Hot Pants」のシングル・ヴァージョンの方を使ったトラジディー・ジ・インテリジェント・フッドラム「The Rebel」、マスタ・エースのラップが若々しい「Keep Your Eye On The Prize」、ビッグ・ダディ・ケイン、クレイグG、クールGラップ、マスタ・エースによるポッセ・カット「The Symphony」はオーティス・レディング「Hard To Handle」ネタの超クラシック・チューン。

またもJB「Hot Pants」使いのトラジディ「Live Motivator」、JB「Funky President」をサンプリングしたクレイグG「Duck Alert」、クール&ザ・ギャング「Chocolate Buttermilk」のホーン・ネタのマスタ・エース「Simon Says」、フリーダム「Get Up And Dance」、JB「Escape-Ism」をサンプリングしたM.C.シャン「Freedom」、ラストのオールド・スクール・マナー丸出しのロクサーヌ・シャンテ「Wack Itt」まで、SP-1200のザラついた粗いグルーヴをアルバム全編にわたって楽しめる。