all my funky friends
All My Funky Friends / Dawn Silva
 JDC '00 

1975年頃からスライのバック・ヴォーカルとしてキャリアをスタートさせたドーン・シルヴァ。
76年のマザーシップ・コネクション・ツアーでスライが前座を務めた際に、コーラス隊のドーンとリン・メイブリィの2人はジョージ・クリントンからスカウトされPファンク入り。2人の名前がはじめてクレジットされたPファンクのレコードは77年の『Live P.Funk Earth Tour』。この時ステージに立っていた女性メンバーはパーレットのデビー・ライトとジャネット・ワシントンで(ジャケット見開きに写っているのも、DVD『The Mothership Connection Live 1976』でステージに立っているのもこの2人)、ドーンとリンはまだ正式に移籍する前だったのか、ステージには出ず袖に用意されたマイクで歌ったのだという。

その後、2人はPファンクの作品の多くにバック・ヴォーカルとして参加する一方、78年にはブライズ・オブ・ファンケンシュタインを結成し1stアルバム『Funk Or Walk』をリリース。ここからのシングル「Disco To Go」がヒットを記録したこともあり、ライヴではパーラメント/ファンカデリックやブーツィーズ・ラバー・バンドの前座を任されるほどに(この頃のブライズのライヴの様子は、90年代に入ってリリースされた『Live At The Howard Theater 1978』で聴くことができる)。
しかし、その後すぐにリンがP軍団から脱退。ブライズはドーンを含む3人組として再編され79年には2ndアルバム『Never Buy Texas From A Cowboy』をリリースしている。

80年代に入りクリントンが求心力を失うとドーンもPファンクを離れ、以降はギャップ・バンドのバック・ヴォーカルなどを務めていたようだが、表舞台からは遠ざかっていた。それが突如2000年になってドーンは初の(そして唯一の)ソロ・アルバムをリリース。それが本作『All My Funky Friends』。ジャケ違いのフランス盤やオランダ盤があるようだが、手持ちのCDはこのジャケットのアメリカ盤。
本作はメインストリームのR&Bにアジャストするような内容ではもちろん、ない。ファンが期待するPファンク・マナーが横溢するファンク・アルバムになっていて、トークボックスをフィーチャーしたザップ風ファンク・テイストもあり、Pファンク・ファンはもちろん、ザップや80年代ファンクのファン、今で言うところのブギー・ファンクを好む向きも十分に楽しめる作品。

かつてのPファンクのメンバーが誰も参加していないのは寂しいが(唯一、旧知のジャネット・ワシントンのみがバック・ヴォーカルとして参加)、ほとんどの曲をドーンと共作/共同プロデュースし、おそらくトラック制作の大半を担ったと思われるディラヴァンスなる人物が本作のキーマンだろう。この人はどうやら90年に自身のアルバムを1枚出しているようで(残念ながら未聴)、時代柄かバリバリのニュー・ジャック・スウィングをやっていたようだ。
彼がどんな経緯でドーンのプロジェクトに関わったのか分からないが、本家のPファンカー抜きでここまでの力作を独力でつくりあげたドーンとディラヴァンスは大したものだと思う。

アルバムのオープナー「As Long As It's On The One」は、「Atomic Dog」のビートがバウンスするクールなファンク・チューン。続く「Break Me Off」はロジャーの影が見え隠れするトーク・ボックスとリズム・ギター、更に途中のギター・ソロがまんま「Dance Floor」なザップ調ファンク・チューン。このアタマ2曲でファンカティアは既に大満足に違いない。
アーバンなスムーヴが気持ちいいミドル「Red Light District」、濡れたR&Bスロウ「Close To You」、ザップ「Heartbreaker」「Dance Floor」のトークボックス・フレーズを折り込んだバウンシーなブギー・ファンク・チューン「Shake It Down」、ブーツィーズ・ラバー・バンド「I'd Rather Be With You」のカバーはビートを強化したファンク・バラード仕立て。
「Whole Lotta Game」はギターが唸りをあげるファンク・ロック・ナンバー。アルバム・タイトル曲「All My Funky Friends」は盛り上がり必至のパーティー・ファンク。「Disco To Go」のリメイクは原曲のオケを打ち込みビートで補強。哀愁スロウの「Calling Out Your Name」、ライヴ録音のミッド・ファンク「Do You Remember Them」、ラストの「On The One」は1曲目の別ヴァージョン。