doing what comes naturally
Doing What Comes Naturally / Charles Wright
 ABC '73 

チャールズ・ライト&ザ・ワッツ103rdストリート・リズム・バンドは、60年代後半から70年代初頭にかけてワーナーから5枚のアルバムをリリース。スライ&ザ・ファミリー・ストーンとともに、西海岸のファンク・シーン黎明期を先導した名バンドだった。
71年の『You're So Beautiful』を最後にワッツ・バンドは解散。後にアース・ウィンド&ファイアへと合流するアル・マッケイは一足早くバンドを抜けていたが、ジェイムス・ギャドソン、メルヴィン・ダンラップ、ビノース・ブラックモンら残るメンバーも解散を期に活動の場を拡げる。ビル・ウィザーズ『Still Bill』、マイク・ジェイムス・カークランド『Hang On In There』といったニュー・ソウル名盤で演奏したのは、彼らワッツ・バンドの残党たちだった。

一方で、リーダーのチャールズ・ライトもバンド解散後早々にソロ・アルバムをリリース。ソロ1作目となる『Rhythm And Poetry』は引き続きワーナーからのリリースだったが、翌73年の2ndアルバムとなる本作『Doing What Comes Naturally』はABC/ダンヒルに移籍してのリリースとなった。
LP2枚組みとなる大作で、旧ワッツ・バンドのメンバーの参加は1曲のみに留まり、ほとんどの曲がジャケットにも写る新たなバンド、ライト・サウンド・インクによる演奏。しかしバンドは違えど、あのワッツ・バンドのイナタくユルいファンキーなサウンドは、本作にも通底している。チャールズの味のあるヘタウマ・ヴォーカルももちろん健在。また、時代柄かソロ・アルバムという性格故か、ニュー・ソウル的なムードも強く感じたりも。総じて、ウェストコースト産ファンク/ソウルの好盤といってよさそう。

アルバム冒頭を飾るタイトル曲の「Doin' What Cums Naturally」は、西海岸らしい乾いたグルーヴのファンク・ナンバー。グルーヴィー&メロウな気持ち良過ぎる「One Two Three Four Five Six」、「That's All That Matters Baby」は、ジェイムス・ギャドソン、メルヴィン・ダンラップ、ビノース・ブラックモンらワッツ・バンドの面々が唯一参加した曲で、彼ららしい砂埃にまみれたファンク・ジャムでやはりカッコいい。
「You Threw It All Away」はニュー・ソウル風味のミディアム、スウィートなミディアム・スロウ「Silly 'Lil Girl」、「You Are The One For Me」はラフなグルーヴのファンク・チューンで、曲後半はグッと厚みのあるバンド・サウンドで盛り上がる。

「You & Me」は優しいムードのミディアム・ソウル、ルーズなノリのミッド・ファンク「A Mother's Love」、グルーヴィーにリズムが転がる「The Weght Of Hate」、「1,2,3 You & Me」はポップに弾むグルーヴィー・ソウル。
D面を丸々使った17分にも及ぶ長尺曲「Nonsense」は、スタジオ・ジャム・セッションをそのまま収めたような曲で、パーカッシヴでグルーヴ感たっぷりの演奏が楽しめるファンク・ナンバー。