kool skool
Kool Skool
 Capitol '90 

1988年にジェシー・ジョンソンのプロデュースでアルバム・デビューしたダ・クラッシュという5人組グループが、2年後にヴォーカルを入れ替えクール・スクールに改名しリリースした唯一のアルバムとなるのが本作。
ダ・クラッシュの方は未聴だが、ジャケットに写るメンバーの髪型や出で立ちは、まさに当時のジェシー風でいかにも80'sな雰囲気。一方でこのクール・スクールでは、このジャケットやシングル「My Girl」のPVを見ても分かるように、当時のトレンドであるニュージャックな風貌へとイメージ・チェンジ。グループ名の変更も含め、90年代型R&Bグループへとイメージを刷新した。

90年前後のメイン・ストリームのR&Bはニュー・ジャック・スウィング全盛で、個人的にはその手の音を好んで聴いていたワケではないが、このクール・スクールはアルバムより先にシングル「My Girl」を聴いて気に入っていた。
本作もジェシーのプロデュースで、サウンド的にはニュー・ジャック・スウィングからの影響が大きいが、そこにずっしりと重みのあるファンクネスを感じさせるのがイイ。メンバーが各々楽器を演奏するバンド・スタイルながら、ドラムはほとんど打ち込みっぽく聴こえるし、随所でド派手なオーケストラ・ヒットが入るが、バンドっぽい手触りはしっかり残してある。

アルバムのオープナー「Waste My Time」は、フレッシュな勢いのあるニュージャック・ファンクで快調にスタート。「My Girl」はボビー・バード「I Know You Got Soul」をサンプリングしたエッジの効いたファンク・ナンバーで、ラップ・パートを大幅に導入。コレは今聴いても十分にカッコいい。
ジェシーらしいギターも聴かれるソリッドなファンク「Never Thought I'd Miss You」、ファンキーなダンス・チューンの「Take Me」、「You Can't Buy My Love」はJB「Funky Drummer」をサンプリング、フック以外はラップで通すファンク・ナンバー。

ニュージャックなダンス・チューンの「Mercy Me」、重量感のあるビートとキーボードが効いたバリバリのニュージャック・ファンク「My Bed」、アルバム中唯一のR&Bスロウ「Now That She's Gone」、ボビー・ブラウンあたりがやってそうなニュー・ジャック・スウィングの「Do You Really Want Me?」、ジャム&ルイスっぽいダンス・トラックの「Get To You」、ラストの「Make Up Your Mind」もニュー・ジャック系のアップ・ナンバー。