first minute of a new day
The First Minute Of A New Day / Gil Scott-Heron & Brian Jackson
 Arista '75 

ギル・スコット・ヘロンは70年代初めにフライング・ダッチマンから3枚のアルバムをリリースした後、74年にはストラタ・イーストから『Winter In America』をリリース。「The Bottle」を含むこのアルバムから盟友ブライアン・ジャクソンとの連名となったが、翌75年にはアリスタへと移籍。その第1弾となったのが本作『The First Minute Of A New Day』。
本作から起用したミッドナイト・バンドのもたらしたサウンドが、前作までとの大きな違い。『Pieces Of A Man』や『Free Will』で聴ける、バーナード・パーディーやロン・カーター、ジェリー・ジェモットら凄腕のスタジオ・ミュージシャンによるグルーヴィーな演奏はもちろんカッコいいのだが、それ以上にブライアン・ジャクソンの鍵盤の存在感が際立っていた。特に『Winter In America』はブライアンのメロウなエレピがアルバム全体の静謐なムードを支配していたように思う。

一方、本作以降~『It's Your World』までの作品は、前作までの内省性はそのままに、ミッドナイト・バンドによるパーカッシヴで熱いグルーヴが渦巻くラテン/ジャズ/ファンクのハイブリッド・サウンドを聴かせ、これもまた非常にカッコいい。ヴィクター・ブラウンのハイトーンなジャズ・ヴォーカルも、ギルの説得力溢れる渋いヴォーカルと対照的でいいカウンターになっている。

ギルとヴィクターのツイン・ヴォーカルが効いたミッドナイト・ジャジー・メロウな「Offering」からアルバムはスタート。歯切れのよいリズムを刻むピアノに、重いベースとパーカッションがグルーヴィーに渦巻くラテン・ジャズ・ファンク「The Liberation Song(Red, Black And Green)」、『It's Your World』にライヴ・ヴァージョンが収録されたラテン・ソウル曲「Must Be Something」、ヘヴィーなアフロ/ラテン・グルーヴにジリジリと焼かれるジャズ・ファンク「Ain't No Such Thing As Superman」、「Pardon Our Analysis(We Beg Your Pardon)」は聴衆を前にギルが無伴奏でスポークン・ワードを披露。

呪術的なフルートが怪しく舞うジャズ・ファンク・ナンバー「Guerilla」、前作アルバムと同名タイトルの、重々しくシリアスなムードの「Winter In America」は何故か本作に収録。ちなみに次作『From South Africa To South Carolina』には「Beginning(The First Minute Of A New Day)」という曲が入っている。
「Western Sunrise」でもギルとヴィクターがツイン・ヴォーカルをキメる、スウィンギーで渋いジャズ・ナンバー。曲中盤からはラテン・パーカッションとサックス・ソロ、ブライアンのピアノ・ソロをフィーチャー。ラストの「Alluswe」はジャジーで内省的なスロウ。