rise sleeping beauty
Rise Sleeping Beauty / Lenny Williams
 Motown '75 

在籍期間は1973年~1975年の3年ほど、アルバムにして『Tower Of Power』『Back To Oakland』『Urban Renewal』の3枚のみだったのにも関わらず、タワー・オブ・パワーのリード・ヴォーカルと言えばまずレニー・ウィリアムズの名が挙がるのは、在籍期間とバンドの全盛期がぴったりと重なったためだろう。独特のハイトーン・ヴォイスでファンクもバラードも見事に乗りこなす個性と実力は、TOPの乾いたベイエリア・ファンクによくマッチしていた。

レニーはTOP在籍中に初のソロ・アルバム『Pray For The Lion』をリリースしている。リリース元はTOPと同じワーナーだが、ユージン・マクダニエルズやレニー・ホワイト、ディーン・パークスら著名ミュージシャンを起用し、TOPのメンバーはまったくタッチしていない。
続く2ndアルバムとなる本作『Rise Sleeping Beauty』は、TOP脱退後にモータウンへと移籍してリリース。こちらは、チェスター・トンプソンがオルガンとホーン・アレンジの他、レニーとともに共同プロデュースを担い、また1曲だけだがスティーヴ・クプカとミック・ジレットが参加するなど、TOPのメンバーの一部が手を貸している。
その他、ビル・サマーズ、エディー・ヘンダーソン、エド・マイヤーズ(ダズ・バンド)らがクレジットに名を連ねるが、個人的に最大のトピックはラスティー・アレンの参加だ。

ファミリー・ストーンへの加入が1972年、アレンがまだ弱冠19歳の時。再編ファミリー・ストーンのベーシストとして『Fresh』『Small Talk』と、『High On You』の一部の楽曲で演奏し、そのタイトで骨太なグルーヴは後期スライに大きく貢献した。特に『Fresh』でのアンディー・ニューマークのドラムとの絶妙なコンビネーションは、前任のグレッグ・エリコ&ラリー・グラハムにも勝るとも劣らないグルーヴ・マスターっぷりで素晴らしい。
スライの元を離れた後のアレンは、あまり目立った活動がなく、知る限りではテンプテーションズ『Wings Of Love』の数曲、ローズ・バンクス(aka ローズ・ストーン)のソロ作(未聴)ぐらい。あとはロビン・トロワーのバンドだがこの辺になると興味の対象外。

アレンのベースがアルバム1枚通して聴けるソウル/ファンク・アルバムという意味で、本作は貴重な作品と言える。しかし、ファンク・アルバムではなくオーソドックスなソウル・ナンバーを中心とした本作に、ファミリー・ストーン時代のアレンを期待して聴くと肩透かしを喰うかも。
良いのは、アーバンなミディアム・グルーヴの「Shame」や「Sons Of Thieves, Slaves And Braves」で、これらの曲ではアレンのタイトなベースがしっかりとボトムを支えている。
「Since I Met You」「To Be A Star」などのソウルフルなミディアム・ナンバーや、スロウの「’Cause I Love You」では、レニーの伸びやかなハイトーン・ヴォイスを気持ちよく聴かせる。TOP時代を思わせるロマンティック・バラード「Loving Station」など、やっぱりこういうちょっとベタなぐらいムーディーな曲がレニーには似合っている。