hell up in harlem
Hell Up In Harlem / Edwin Starr
 Motown '74 

フレッド・ウィリアムソン主演の映画『Black Caesar』は興行成績が良かったのか、間を置かずに続編が制作された。
サントラは『Black Caesar』に引き続きJBが当初は手がけるも、JBが用意した楽曲を映画制作サイドが何と「ファンキーじゃない」という理由で却下。ボツった曲をオリジナル・アルバムとして仕上げたのが2枚組大作『The Payback』なのだとか。あのGodfather Of Soul、Minister Of New New Super Heavy Funk、Funky PesidentのJB御大にダメ出しするのも凄いが、あの超絶ヘヴィー・ファンクの「The Payback」がファンキーじゃないなんて寝ぼけたことを言われたJBは相当に激怒したに違いない。

ともあれ、JBの代わりに白羽の矢が立ったのが、「War」のヒットなどで知られるモータウンの中堅シンガー、エドウィン・スターと、ジャクソン5の数々の大ヒット曲を手がけたプロデュース・チーム、ザ・コーポレーションのフレディー・ペレンとフォンス・ミゼル。演奏陣にはラリー・ミゼル、ジェイムス・ジェマーソン、チャック・レイニー、エド・グリーン、ジェリー・ピータース、ジョー・サンプル、デニス・コフィーなどの腕利きが集結。
ミゼル兄弟はこの時既にスカイ・ハイ・プロダクションを起ち上げ、ドナルド・バードやボビー・ハンフリーのジャズ・ファンク名盤を手がけていた頃だと思うが、本作ではまだあのミゼル印のサウンドは聴かれない。
はたして、これが「The Payback」よりもファンキーかというと、まったくそんなことはないのだが、ブラックスプロイテーション・サントラの好盤として十分楽しめる内容であることは間違いない。

オープニングは映画のテーマ曲「Hell Up In Harlem」。昂揚感のあるアップ・ナンバーで、エドウィンのヴォーカルも気合い漲る。「Easin' In」はパーカッションとフィンガー・スナップ、ベースが地を這うクールなスロー・ファンク。テンション高いジャンプ・ナンバーの「Big Papa」、ドラマティックなスロウの「Love Never Dies(Helen's Love Theme)」、「Don't It Feel Good To Be Free」は気持ちよく揺れるミディアム。
「Runnin'」はいかにもサントラっぽいファンキーなグルーヴのインスト・ナンバー。ストリングス・アレンジが美しいバラード「Jennifer's Love Theme」、これも典型的ブラックスプロイ・インストの「Airport Chase」、柔らかなメロウ・チューンの「Mama Should Be Here Too」と「Like We Used To Do」、ラストはテーマのインスト・ヴァージョン「Ain't It Hell Up In Harlem」。