ultrafunk
Ultrafunk
 Contempo '74 

UKのファンク・バンド、ウルトラファンク。
このバンドについては、その存在自体まったく知らなかった。最近になって、1stアルバムとなる本作と2nd『Meat Heat』が2CDセットで再発されたのをきっかけに知った。
おそらくスタジオ・ミュージシャンによるプロジェクト的なグループと思われ、2枚のアルバムともインストでカバー曲を中心にしたレパートリー。ストリングスも導入したディスコ・ファンク・サウンドは匿名的ではあるが、ファンク好きなら十分楽しめる内容。クラヴィネットやワウ・ギターがたんまり入っているのは個人的にはポイント高し。

アルバムのオープニング・ナンバー「Kung Fu Man」は、当時のカンフー・ブームに便乗したディスコ・ファンクで、ボクサーのフレディー・マックによる喋りをフィーチャー。2パートからなる「Sting Your Jaws」はベースとワウ・ギターがグルーヴを引っ張るディスコ・ファンク・チューン。
「Sweet F.A.」はクラヴィネットとワウ・ギターがグリグリとグルーヴィーに絡みつき、ホーン・セクションやらホイッスルやらでワサワサと盛り上げるカッコいいファンク・ナンバー。

アルバム収録曲の半数以上を占めるカバー曲のうち、どういうわけかクインシー・ジョーンズ『Body Heat』とビル・ウィザーズ『Still Bill』から2曲づつ取り上げられている。「Boogie Joe The Grinder」はクラヴィネットがゴリゴリと唸りを上げるファンク・チューンで、クインシー版よりも好き。「Buffalo Soldier」はブラックスプロイテーション風のストリングスやホーン・セクションが入り、ベースがクールにウネるグルーヴィー・チューン。
「Who Is He And What Is He To You」はオリジナルのクールなスロー・ファンク調から一転、ワウ・ギターをグシャグシャと掻き毟る激ファンク・カバーで、聴いただけではあの曲だとは分からない変貌ぶり。「Use Me」はホーン・セクションが分厚く盛り上げ、クラヴィとワウ・ギターがダーティーに絡み合うファンク・ナンバー。
スティーヴィー・ワンダー「Living For The City」のカバーはやや淡泊なリズムだが、ここでもクラヴィネットとワウ・ギターがグシャグショとやってくれている。