freedom flight
Freedom Flight / Shuggie Otis
 Epic '71 

1969年に弱冠15歳でアル・クーパー『Kooper Session』に抜擢された早熟な天才ギタリスト、シュギー・オーティス。
70年には1stアルバム『Here Comes Shuggie Otis』を父ジョニー・オーティスのプロデュースでリリース。そして71年には早くも2ndアルバムとなる本作『Freedom Flight』をリリース。
この時まだ17歳。ここまで順調にキャリアを重ねてきたのは、親の七光りでは決してない。本作もプロデュースは親父だが、全7曲中6曲がシュギー作、そしてアレンジもシュギー自身が手がけ、ギターはもちろんベースやドラムスまでも多くの曲で自ら演奏するなど、この時点で既にその才能は開花。この末恐ろしいまでの万能ぶりは、後に登場するあの天才を連想させる(ジャケットに写るシュギーの風貌も含め)。
それは、型に嵌らない音楽的な自由さという点においても。本作で聴けるサウンドは、自らの出自であるはずのブルースからは大きく逸脱したもの。ブルースやソウル、ファンク、ロックの要素を瑞々しい感性でもって溶け合わせ、カテゴライズ不能な他の誰でもないシュギー・オーティスの音楽を作り出すことに成功している。スライ『暴動』からの影響を独自に消化した次作『Inspiration Information』へと繋がる下地が、既に本作にあるということがよく分かる。

アルバムのオープニング・トラックの「Ice Cold Daydream」は、軽快なリズムに歪んだギターがグニャグニャと絡みつくグルーヴィー・チューン。ブラザーズ・ジョンソンによるカバーが有名な「Strawberry Letter 23」はギターの音色が煌めく哀愁ポップなナンバーで、ブラジョンよりもこのオリジナルの方が好き。
重たいブルーズにサイケなファンク感覚を持ち込んだ「Sweet Thang」、唯一の非自作曲であるリトル・ジョー・ブルーのカバーとなるブルーズン・ソウル「Me And My Woman」、「Someone's Always Singing」は円やかながらも不思議な迷宮感覚も宿したソウル・ナンバー。
「Purple」は本作中で最もオーソドックスなブルース曲。ラストのアルバム・タイトル曲「Freedom Flight」は13分近い長尺曲で、メロウで幻想的なチルアウト・チューン。