newport in newyork
Newport In New York '72 Vol.6 The Soul Sessions
 Cobblestone '72 

1954年に始まったという伝統あるニューポート・ジャズ・フェスティバルは、71年に会場に入れなかった一部のファンが暴徒化するという事件が起こり、翌72年から80年までの9年間は場所をニューヨークに移して行われたとのこと。
ニューヨークで最初に開催された72年の模様は、計6枚のLPで実況録音盤が発売されているようで、本作はその6枚目のアルバム。
ジャズ・フェスなので当然ながら出演者のほとんどはジャズ・ミュージシャン/シンガーだが、ロバータ・フラック、BBキングといった人たちも参加している。このVol.6はそういったジャズ以外のミュージシャンにもフォーカスを当てている。そして、これを購入したのはもちろんカーティス・メイフィールドの2曲が目当て。

どうやら、当初出演を予定していたニーナ・シモンが急遽キャンセルとなり、その代役としてカーティスが出演することになったらしい。道理で、出演者のラインナップの中でカーティスだけ異質なのはそういった事情があったからかと納得(ロバータやBBはジャズ・フェスに出ていてもあまり違和感がないが)。このソウル・セッションズという副題も、カーティス抜きであれば違和感を覚えていたことだろう。

そのカーティスは「Stone Junkie」と「Pusherman」の2曲をパフォーマンス。『Superfly』がリリースされたのと同じ72年7月の録音で、カーティス自身相当にノッていた時期だと思われ、また映画の公開も翌月に控え、大いに注目を集めていた頃ではないかと思われる。
バンドは、ベースのジョセフ "ラッキー" スコット、ギターのクレイグ・マクミュラン、パーカッションのマスター・ヘンリー・ギブソンと、前年の『Curtis/Live!』と同じ面子だが、ドラムはタイロン・マッカランではなくスコット・ハリスという人が叩いている。
「Stone Junkie」はその『Curtis/Live!』でも最後に演奏されていた曲だが、そちらがルーズなグルーヴでジワジワ盛り上がるのに対し、こちらはよりタイトでクールな雰囲気。「Pusherman」は最新作『Superfly』からで、乾いたパーカッションやワウ・ギターがファンキーなグルーヴのウネりを生み出す。この時期のカーティスだけに、いずれの曲も聴き応え十分。

その他、BBキングは「I Need My Baby」を、ロバータ・フラックはマーヴィン・ゲイ&タミー・テレル「Ain't No Mountain High Enough」のカバーと、ウェストサイド・ストーリーの劇中歌だという「Somewhere」を、エリック・ゲイル、リチャード・ティー、ジェリー・ジェモット、グラディー・テイトら凄腕ミュージシャンを従えてパフォーム。後者の曲ではレス・マッキャンとデュエット。
そのレス・マッキャン「The Price You Got To Pay To Be Free」はゴスペル的なジャンプ・ナンバーでなかなかファンキー。
著名なフルート奏者のハービー・マンはあまりちゃんと聴いたことがないのだが、ここではサム&デイヴ「Hold On, I'm Comin'」のカバーなので楽しめる。
ジャズ・シンガーのビリー・エクスタインは個人的にはまったく馴染みのない人だが、ディジー・ガレスピーやソニー・スティットが演奏に加わっている。