money talks
Money Talks / The Bar-Kays
 Stax '78 

バーケイズは70年代前半までにスタックスから5枚のアルバムをリリースするも、75年のレーベル倒産によりマーキュリーへと移籍。
スタックス時代はブラック・ロック/サイケデリック色も滲ませたファンクを演っており、スライ&ザ・ファミリー・ストーンからの影響の大きさを窺わせたが、そこに南部らしい泥臭さも混じえ彼ら流儀のファンク・サウンドを創造していた。

一方、マーキュリー移籍後のメイン・インフルエンスはアース・ウィンド&ファイアで、曲によってはレーベル・メイトとなったオハイオ・プレイヤーズっぽかったりする。例えば、76年の移籍第1弾アルバム『Too Hot To Stop』の最初の2曲、アルバム・タイトル曲の「Too Hot To Stop」は前年に大ヒットしたばかりのアース「Shining Star」そのまんまだし、「Cozy」はオハイオの同年作『Contradiction』に入ってそうな雰囲気の曲だ。
パクリ芸もこのバンドの個性ではあるのだが、ここでもやはり彼ららしい泥臭いファンクネスをしっかり潜ませていて、シングル・ヒットした「Shake Your Rump To The Funk」なんかはアース風ではあってもアースには真似できない猥雑さが最高だし、『Too Hot To Stop』も翌年の『Flying High On Your Love』も聴き応え十分な作品だった。

本作『Money Talks』は、1978年になってリリースされたスタックス時代の未発表曲集。アトランティックが権利を所有しないスタックス音源を買収したファンタジー・レコードが、マーキュリーで順調にリリースを続けるバーケイズに便乗してリリースしたものと思われ、彼らのディスコグラフィにおいては『Flying High On Your Love』と『Light Of Life』の間にあたる作品。
72年から75年の間に録音された全6曲が収められているが、これが出涸らし感など皆無の、なかなかクオリティーの高い楽曲揃いの傑作アルバムとなっている。スタックス時代らしいドス黒さを湛えた曲から、既にマーキュリー期の作風が確立されたような楽曲までも収録されており、かなり楽しめる。

まずは何と言ってもシングル・ヒットを記録した「Holy Ghost」だろう。泥臭く粘っこいヘヴィーなファンク・グルーヴと、アースっぽい洗練が理想的に融合した名曲。「Holy Ghost(Reborn)」は更にファンク・ビートを強調した別ヴァージョンで、コレもカッコいい。
「Feelin' Alright」はグラハム・セントラル・ステーション「I Believe In You」を思わせるギター・フレーズが印象的なスロー・ファンク。「Monster」はブラックススプロイテーション風のグルーヴィーなインスト・ファンク・ナンバーで、この辺りの曲は70年代前半のスタックス期らしいと言えるかも。
アルバム・タイトル曲の「Money Talks」は「Mighty Mighty」を参照したようなアース・フォロワーっぷり全開のファンク。ということは74年か75年の音源ということか。「Mean Mistreater」はドラマティックなムードのスロウで、ラリー・ドッドソンのディープなヴォーカルを堪能できる。