easy come easy go
Easy Come, Easy Go / Joe Public
 Columbia '94 

猫も杓子もニュー・ジャック・スウィングに踊らされていた80年代末~90年代初頭。多くのソロ・シンガー、ヴォーカル・グループがニュージャックを取り入れていたが、バンド・スタイルでニュージャックを演奏する連中も僅からながら出現。ジェシー・ジョンソンが送り出したクール・スクールや、トニ・トニ・トニも『The Revival』ではニュー・ジャック色がかなり強かったが、この92年デビューの4人組、ジョー・パブリックも忘れ難きバンドだ。

リック・ジェイムスと同郷の、ニューヨーク州バッファロー出身の4人組。彼らの存在を初めて知ったのは、キース・スウェットの91年のシングル「Keep It Comin'」で、その曲で演奏していたのがジョー・パブリックだった。
翌92年にバンドの1stアルバムをリリース。シングル・ヒットした「Live And Learn」は、「Keep It Comin'」を踏襲したようなニュージャック・ナンバーで、アルバムの他の曲もサンプリングやプログラミングもふんだんに交えつつ、ニュー・ジャック・スウィングに生っぽいファンキーなグルーヴを取り入れたサウンドを聴かせていた。

本作『Easy Come, Easy Go』は94年リリースの2ndアルバム。基本的には前作の延長線上にあるサウンドだが、よりバンドっぽいライヴ感が強くなった印象で、ニュージャックなハネたリズムは幾分抑制され、ファンクなグルーヴが増している。ガイの活動が停滞し、ニュー・ジャック・スウィングも90年代初頭の勢いは既になくなっていた頃。成熟したバンドへと化けたトニーズの3rd『Sons Of Soul』を彼らも聴いていただろうし、触発された部分もあったかもしれない。彼らならではのニュージャック・ファンクとでも呼ぶべきサウンドを聴かせてくれる本作、今聴いても十分にカッコいいし、個人的には前作よりも好きだ。

アルバムのオープニング・ナンバーとなるタイトル曲「Easy Come, Easy Go」は、乾いたギター・ループが中毒性を孕む「Live And Learn」タイプのジャック・スウィング・ファンク。「Deeper」はワウ・ギターにベース、ドラムがウネリのあるグルーヴを生みスクラッチも搭載したファンク・ナンバー。艶っぽいスムーヴの「Your Love Is On」も、ボトムにはズッシリとしたファンクネスを感じさせる。
「This Time」はドラムス&ベースの太いグルーヴが貫き、Gファンク調のヨレたキーボード音も効いたファンク・チューン。「Things You Do 4 Luv」はドラム・ブレイクを叩き込むファンキーなヒップホップR&Bだが、キーボードやワウ・ギターがロウな手触りを残す。
「Call Me」はグラウンド・ビートっぽい地を這うようなグルーヴのミドル。R&Bミディアムの「I L.O.V.E. U」、濡れたスロウ・ジャムの「Show Me」、「Rumors」はゴリッとしたビートで押すファンク。ラストの「What Goes Around」はスウィングするビートの王道ニュージャック・ファンクでカッチョエェ。