black grass music
Black Grass Music / Bad Bascomb
 Paramount '73 

ウィルバー・バスコムはニューヨークで活動していたセッション・ベーシスト。
あまりこの名前を意識して聴いていなかったのだが、本ブログでこれまでにレヴューした作品だけでも、メルヴィン・スパークス『Texas Twister』、ロイ・エアーズ・ユビキティー『Change Up The Groove』、ボー・ディドリー『Big Bad Bo』、シーザー・フレイジャー『75』、リューベン・ウィルソン『Got To Get Your Own』などなど、数多くのジャズ・ファンク名盤でプレイしている。また、父親はトランペット奏者で、ライトニン・ロッド『Hustlers Convention』の録音に参加している。

そんなバスコムさんが率いた7人組バンドがこのバッド・バスコム。
本作で彼が提唱するブラック・グラス・ミュージックとは、ブラック・ミュージックとブルー・グラスを融合した音楽。個人的にはブルー・グラスという音楽にはまったく馴染みがなく、カントリー&ウェスタンとの区別もついていないのだが、バスコムのスタジオ・ミュージシャンとしてのキャリアをDiscogsでいくら辿っても、カントリーやブルー・グラスといった音楽の影は見えない。何でこんなアルバムを作ったのか不思議だが、この名義での作品はコレ1枚しかないので、パーマネントなバンドというよりは、企画モノのような作品だったのかもしれない。

アルバム冒頭の「Black Grass」から、ドラム・ブレイク搭載の陽気なカントリー・ファンク。バンジョーやフィドルといった楽器が大きくフィーチャーされたサウンドはまさにブラック・グラス・ミュージック。
ジェイムス・テイラー「Fire And Rain」のカバーは、雄大なアレンジのカントリー・バラードから一転、曲後半は泥臭いノリのスワンプ・ファンクへと変貌し、更にスリリングな弦アレンジのブラックスプロイテーション調へと展開。
アーシーでネチッこいファンク・チューンの「Soul Hoe Down」、「Amos Bad Heart Bull」はホーン・アレンジもキマッたファンキーなカントリー・ソウル。
バンジョーとフィドルが楽しげに盛り上げる「Bo Diddley」、ハーモニカの音色が長閑なムードを醸すバラード「The Room」、ベース・ラインがグルーヴィーにウネるファンク「Give The Bass A Taste」、ラストの「Poor Man」はサイケデリックなムードの異色曲。