out in front
Out In Front / Olympic Runners
 London '75 

オリンピック・ランナーズはUKの6人組ファンク・バンド。
60年代半ばにブルー・ホライズン・レコードを立ち上げ、以降もプロデューサーとして活動していたマイク・ヴァーノンが、ロンドンのオリンピック・スタジオでのセッションで使っていたスタジオ・ミュージシャンたちを集めて結成したのがこのオリンピック・ランナーズというバンドとのこと。
このうち、ジョージ・チャンドラーとグレン・ルフラーという人は同時期にUKで活躍したバンド、ゴンザレスのメンバーでもあったよう。ゴンザレスもオリンピック・ランナーズ同様にセッション・ミュージシャンによるプロジェクト的な性格が強かったと思われるが、当時のUKの狭いファンク/ソウル・シーンの中でもこのような動きが複数あったというのは興味深い。

このエロ・ジャケには魅かれつつも、どうせディスコものだろうと高を括ってこれまで手を出さなかったのだが、いざこのバンドの2ndアルバムとなる本作『Out In Front』を聴いてみると、まだ70年代半ばということもあってかそれほどディスコの侵食は受けておらず、いささか匿名的ではあるものの地味渋なジャズ・ファンク・サウンドが楽しめる好盤だった。印象としてはクルセイダーズなんかに近いサウンドかと思う。

アルバムのオープニングの「100 Yard Dash」は、タイトルどおり短距離を全速力で駆け抜けるような性急なイントロダクションですぐ終わってしまう。フュージョンっぽさもあるインスト・ナンバーの「Exit City」、ソリッドなリズムにザックリしたギターを刻みつけるファンクの「Drag It Over Here」、クールなジャズ・ファンク・チューン「Go No Further」、タイトなグルーヴのジャズ・ファンク「Out To Lunch」、「(There's A)Freeze On Funk」はリズミカルな鍵盤と蠢くワウ・ギターの絡みが面白いファンク・ナンバー。
「Dump The Bump」は太いボトムと這いずるワウ・ギターがウネるファンク・チューン。弾力のあるグルーヴのジャズ・ファンク「Panic Button」、重いベースのメロウ・ジャズ・ファンク「Get This Thing Down」、リゾート気分のフュージョン調「Coucou 'N' Flying Fish」、ラストの「'Till The Sun Comes Up」はノスタルジックなムードのフュージョン・インスト。