kilo
Kilo
 Stax '79 

ファンタジー傘下に再興されたスタックスから70年代末に1枚だけアルバムをリリースして消えた5人組ファンク・バンド、キロ。
彼らについてほとんど情報を持ち合わせておらず、どんなバンドなのかよく分からないのだが、メンバーのうちベースのレイ・グリフィンという人は、これ以前にルーファス・トーマスの作品などに参加していたようだし、後にはZZヒルやマラコ所属のパワーというグループが82年にリリースした唯一のアルバムでもベースを弾くなど、南部を中心に数多くのセッションをこなしていたよう。他のメンバーも南部のレコーディング現場でキャリアを積んできた人たちなのだろうか。

このバンドの唯一のアルバムとなる本作だが、これがなかなか出来がいい。南部らしい泥臭さと洗練が良い具合に折衷していて、ファンクからメロウ、バラードまでどれも高水準。この時代ながらそれほどディスコっぽさがないのも好印象。
アルバムのオープニングを飾る「Days」は、柔らかなグルーヴが気持ちイイ夢見心地のメロウ・ミディアム。「Devil's Eye」は重心低くタメの効いたファンク・チューンで、これはなかなかカッコいい。シャッフル調のリズムで揺れるアーバンなミディアム・ナンバー「Be Mine」、「You, You, You」はルーズにグルーヴを引きずるミッド・ファンク。
「Satisfy Your Lovin'(Dance)」は明るくポップに弾けるディスコ・ファンク。ムーディーな序曲「Interlude」から続くソウルフルなバラード「All In A Song」、「Fire, Fire, Fire」はアルバム中で最もヘヴィーでダーティーなファンクで、オハイオ・プレイヤーズ「Fire」を思わせる凶暴さ。ラストの「Love So Nice」はリズムにレゲエのニュアンスを感じさせるミディアム・チューン。