2nd time around
2nd Time Around / The Spinners
 V.I.P. '70 

70年代を中心に多くの名曲を世に送り出してきたヴォーカル・グループ、スピナーズ。
フィリップ・ウィンを擁し「I'll Be Around」や「Could It Be I'm Falling In Love」などのフィリー録音のヒット曲を生んだアトランティック時代の作品も良いのだが、やはりデトロイト出身のこのグループの最上の音盤は、GCキャメロンをリード・シンガーに据えモータウンの傍系レーベル、VIPからリリースされた2ndアルバムとなる本作『2nd Time Around』だろう。

ファンク・ブラザーズが繰り出す躍動するデトロイト・ビートをバックに、GCキャメロンの硬派なヴォーカルの魅力が爆発。デイヴィッド・ヴァン・デピット、ポール・ライザー、ウェイド・マーカスといった名アレンジャー達、そしてハーヴィー・フークワ、ジョニー・ブリストル、ローレンス・ブラウン、アレン・ストーリー、さらにはスティーヴィー・ワンダーまで、モータウンの誇るライター陣が素晴らしい仕事ぶりを見せる。

それらが最高のレベルで結実した奇跡的な名曲がアルバムのオープニングを飾る「It's A Shame」。スティーヴィー&シリータにリー・ギャレットという、同年のスティーヴィーの名曲「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」を生んだチームによる素晴らしい楽曲を、熱いシャウトからファルセットまで硬軟自在に歌いこなすGCと、ソウルフルに盛り立てる晴れやかなコーラス・ワーク。ノーザン・ソウルとしてもポップ・ミュージックとしても超一級品。そのエヴァーグリーンな輝きは50年近く経った今も色褪せていない。

「It's A Shame」が頭抜けているため目立たなくなっているが、他の曲も良曲揃い。アルバムの2曲目以降「I've Got To Find Myself A Brand New Baby」以降、「Together We Can Make Such Sweet Music」「Bad, Bad Weather(Til You Come Home)」とグレイトなデトロイト・ソウルを連発。
ミディアムの「Pay Them No Mind」「My Lady Love」、ファンキーなノーザン・チューンの「Souly Ghost」、「O-o-h Child」はファイヴ・ステアステップスのカバー。
ムーディーなバラードの「In My Diary」、GCの見事な歌唱がオリジナルのデイヴィッド・ラフィンにも負けていない「My Whole World Ended(The Moment You Left Me)」のカバー、ポップに弾ける「(She's Gonna Love Me)At Sundown」、ラストの「Can Sing A Rainbow / Love Is Blue」はちょっと謎だが、GCのヴォーカルは変わらず熱い。